うっかりくまさんたちの おかしなおんがくかい
- 作:
- へんみあやか
- 出版社:
- Gakken
絵本紹介
2025.12.24
今日は音楽会の日。ところがくまおさんがうっかり間違えて持ってきたのは、トランペットではなくて……? 毎月発売される新作絵本の中から、絵本ナビが自信をもっておすすめする「NEXTプラチナブック」。今回ご紹介するのは『うっかりくまさんたちの おかしなおんがくかい』。ナンセンス絵本新世代!? 注目の絵本作家へんみあやかさんが描きだす脱力系ユーモア絵本。いったい、どんな内容なのでしょう?
NEXTプラチナブックとは…?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、レビュー数、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
そして、毎月発売される新作絵本の中からも、注目作品を選びたい! そんな方におすすめするのが「NEXTプラチナブック」です。3か月に一度選書会議を行い、「次のプラチナブック」として編集長の磯崎が自信を持って推薦する作品を「NEXTプラチナブックメダル」の目印をつけてご案内します。
寝起きのくまおさんの登場から、ゆるゆるっとはじまるこのお話。天気は良いし、時間だって余裕がありそうなのに……。
「ねこを もって きちゃった」
いきなりとんでもない間違いが起きています。
それでも不思議なことに、焦りの気持ちは生まれてきません。
さらに驚くべきは、このうっかりがくまおさんで終わらないこと。隣のくまたろうさんも、その隣のくまごろうさんも、そのまた隣のくますけさんまで。うっかりがとまりません。この演奏会、いったいどうなってしまうの!?
「にゃー」
だいじょうぶですよ。ヘンな楽器から出るのはヘンな音ですし、ヘンな音で合奏すれば、ヘンな音楽が生まれてくるだけです。なんて、おおらか。なんて、ほがらか。なんて平和な音楽会なのでしょう。
想像を超えるうっかりの世界を愛らしく描きだしているのは、新進気鋭の絵本作家へんみあやかさん。ほんわかおっとりナンセンス。この心地良いユーモアの世界にハマってしまう人が続出しそうです。
うっかりが生みだす音楽会は……
トランペットと間違えて持ってきてしまったもの。バイオリンやたいこと間違えて持ってきてしまったもの。それからそれから……。さあ、想像してみてください。それらはいったいどんな音をならすのでしょう。そして、その音で演奏したのは、いったいどんな音楽だったのでしょう。愉快なオノマトペを声に出して読みながら、自分なりの「おかしな音楽会」を演出してみてくださいね。ああ、うっかりが生みだすそれぞれの音楽会。聴いてみたいなあ……。
この書籍を作った人
1991年、福岡県古賀市生まれ。大学で保育士資格、幼稚園教諭免許を取得。社会人となり、ミッフィーちゃんの布製ティッシュケースのガチャガチャを回し、雪遊びの柄を取得。トムズボックスワークショップで絵本を学ぶ。絵本に『そうじきにまちがわれた そうじきこうじょうの こうじょうちょう』 (「こどものとも年中向き」 2025年6月号)などがある。
〇作者のことば
このおはなしは、変な音が集まって合奏になったらとても変だろうなぁと思ってつくりました。この絵本を読んでくださる方々には、くまさんたちの“うっかり”をあたたかく見守ってもらえたら幸いです。でも、皆さんがマラカス奏者として音楽会に出る際に、うっかりアメリカンドッグを2本持ってきてしまったら、急いでマラカスを取りに帰って下さい。
磯崎 園子(いそざき そのこ)
絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長。著書に『はじめての絵本 赤ちゃんから大人まで』(ほるぷ出版)、『ママの心に寄りそう絵本たち』(自由国民社)、監修に『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』『父母&保育園の先生おすすめのシリーズ絵本200冊』(玄光社)がある。