●ワークショップを終えて。《ねぎかぉ》のお2人にお話をうかがいました!
───あんなに子どもたちを盛り上げられる《ねぎかぉ》のお2人って・・・何者ですか?(笑)。
子ども向けのイベントをよくされるのですか?

ねぎお兄さん:ぼくらは神保町にある劇団の団員です。ぼく自身が「キンダー」というお泊まり保育運営などをする会社に勤務していた経験から、保育園・幼稚園や書店で、オリジナルおはなし会を開催するようになって7年くらいになります。ブックハウス神保町さんとは、地域の交流のなかでご縁ができて、声をかけてもらったことがきっかけ。《ねぎかぉ》のユニットとして、相方のかぉりんお姉さんと、ときどきおはなし会をさせてもらっています。

ふだんは子どもたちがよく知っているような紋切型のストーリーを脱線させて、笑わせちゃうことが多いんですが、『なにをたべてきたの?』は、ただそのまま読むだけで「えぇっ!?」って驚かされますね〜(笑)。
───たしかに。カラフルになったしろぶたくんが、せっけんまで食べちゃいますしね(笑)。
じっさいに声に出して読みきかせをしていて、絵本から何か感じることはありますか。

かぉりんお姉さん:そうですねえ・・・。なんだか作者の方のやさしさを感じました。しろぶたくんがたべた果物と、おなかの色を決めつけないから、色のイメージがひろがっていって・・・。40年近く前にかかれた絵本だとは、とても思えないし、作者の方の思いがいきいきと伝わってくるような絵本だなあと思いました。
ねぎお兄さん:『なにをたべてきたの?』の世界に、子どもたちがすーっと入っていましたよね。子どもたちの反応に、ぼくたちのほうが楽しませてもらったおはなし会でした。
最後、大きなしろぶたくんに絵を描くとき、水色で丸を描いて「おだんご」、赤色で「うすいチョコレート」という子どもたちの発想がおもしろいよね〜。毎回おはなし会のあとは、その日おもしろかったことを相方と話しながら帰るのですが、きょうは水色の串だんごと、うすいチョコレートは何がうすいんだろう?とあれこれ想像しながら帰ります(笑)。
───(笑)おはなし会をのぞかせてもらって、楽しかったです。ありがとうございました!
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次回公演情報「さくら、降るとき」2014年3月21日〜4月6日 @ art spot LADO(神保町)
「ある一本の桜の樹に願いをかけると、それは必ず叶う。」神保町に実在する“伝説の桜の樹”を舞台にした、不思議な運命のストーリー。(劇団電話:03・3295・1733 /mailアドレス: tokigumi2000@yahoo.so.jp )
●ブックハウス神保町、荒木副店長にも、お話をうかがいました!
───よみきかせ&ぬりえワークショップ、ご覧になっていかがでしたか?

《ねぎかぉ》さんのおはなし会は毎回好評なのですが、きょうは『なにをたべてきたの?』の魅力を、わたし自身も再発見させてもらいました。この本は、子どもの感性のように自由で柔軟なところが素敵だし、長く愛されてきたエンターテイメント作品なんだなと改めて感じました。
───お店にはいろんなお客様がいらっしゃると思いますが、『なにをたべてきたの?』は、どんな方が手にとりますか? また、絵本をおすすめするときは、どんなふうに選んでおすすめするのですか?
お店にいらっしゃるお客様は、未就学のお子様を連れた親子連れの方が多いですが、ふらっと入ってこられたご年配の方に「孫に絵本をあげたいんだけど、どんな本がおすすめ?」と聞かれることがあります。
そういうときは「何歳くらいですか」「男の子のお孫さんですか、女の子ですか」「食べ物の本はどうですか、動物は好きですか」などと、プレゼントされるお子様の好みをうかがいながら、おすすめしたい絵本をしぼっていくんですが、『なにをたべてきたの?』は、どんなふうにしぼっていってもセレクトされる要素がひろい絵本なんですよね。男の子・女の子、どちらでもOKですし、食べ物が好きな子にも、動物のお話が好きな子にもいい。

たとえばたくさん色をつかった濃密な絵が好きなお子さん、線を強調したシンプルな絵が好きなお子さんなど、絵の好みもいろいろですが、『なにをたべてきたの?』はシンプルな線のなかにもカラフルな色があり、多くの人にこれまで支持されてきた実績と安心感があります。ご提案してみるとお客様が「じゃあこれを」と、選んで手にとることも多いです。
───そんなふうにおすすめした本が、だれかの大切な本になるかもしれないなんて、素敵ですね。

店内のディスプレイです。『なにをたべてきたの?』コーナーには、本に登場するくだものが置いてありました! 棚ごとに絵本を盛り上げる工夫をされ、絵本を探しにいらっしゃるお客様を楽しませてくれます。そうですね。友人同士で訪れた20代くらいの女性のお客様が『なにをたべてきたの?』の棚の前で「なつかしい〜!」と盛り上がっている声が聞こえてきて、あぁ時間が経っても心に残る作品なんだなと、うれしく感じたこともあります。
最近は、絵本好きの大人のお客様が遠くからいらしてくださるようになりました。でもやっぱり、あたらしい読者である子どもたちに、これからもどんどん絵本を手渡していきたいですね。
きょう、子どもたちが色をぬった大きなしろぶたくんは、しばらく店内にかざっておきますので、ぜひまた遊びにきてくださいね。