お話の主人公となるハツカネズミが住む町、「ネコイラン町」には、とってもすてきな「チュウチュウ通り」という通りがあります。「チュウチュウ通り」の1番地から10番地に住む10匹のネズミが登場する「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズは、絵本から読み物への移行期にさしかかった子どもたちにぜひ読んでほしいおすすめ作品です。今回は、シリーズのさし絵を担当しているたしろちさとさんのアトリエにお邪魔して、「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズの魅力をたっぷり伺いました!めったに拝見できないアトリエや、「チュウチュウ通り」のアイデアノート、さらに、たしろさんが愛する「あの子」も登場します!
●「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズを生み出した方たち
「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズのおはなしを書かれたのは、オーストラリア生まれの作家、エミリー・ロッダさん。「リンの谷のローワン」シリーズや『ふしぎの国のレイチェル』(以上あすなろ書房)、「デルトラ・クエスト」シリーズ(岩崎書店)「フェアリー・レルム」シリーズ(童心社)など、日本の子どもたちにも大人気の読み物を次々に生み出している人気作家です。 訳者のさくまゆみこさんは、エミリー・ロッダさん作の「リンの谷のローワン」シリーズや『ふしぎの国のレイチェル』『テレビのむこうの謎の国』(以上あすなろ書房)や、他多数の海外作品や絵本を日本の子どもたちに楽しく紹介してくれる名訳者。 そしてさし絵を担当されたのは…絵本ナビでもおなじみ、温かみあふれる筆致で、愛らしく生き生きと描かれる動物たちの絵に特に定評がある絵本作家たしろちさとさん。 こんな豪華なメンバーが集結して「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズは作られています。
●「チュウチュウ通り」ってどんなところ?
「ネコイラン町」にあるすてきな通り。
「チュウチュウ通り」のそばには、住人たち行きつけのスーパー「ポリポリマート」や身寄りのない老ネズミのための「おひさまホーム」、音楽を楽しむ「クラブ・パタパタ」などがあり、個性的なハツカネズミたちが互いに助け合いながら仲良く暮らしています。
●「チュウチュウ通り」に住む仲間たち
全巻のもくじのあとについている1番地から10番地に住むハスカネズミたちの紹介ページ。仕事も好みも服装もそれぞれに個性的で、このページを眺めているだけでもどんな物語なのかワクワクしてきますね。
ご自宅兼アトリエにお邪魔して、まず目に入ってきたのは、壁に並んでいるお家の模型。
───すごい、素敵な家の模型が並んでいますが、これはたしろさんが作られたんですか?
いいえ。ここに並んでいるのは建築家である主人が設計・デザインしたお家の模型なんです。ただ私も、学生時代に建築模型をつくるアルバイトをしていたので、こういうものを造ったり、見たりするのは好きです。
───アルバイトで建築模型を造っていたことがあったなんて、ビックリです!
「チュウチュウ通りのゆかいななかまたち」シリーズを作るときにも、ハツカネズミたちのお家のデザインをしました。これがそのときの下絵なんですが…。
───こちらがあの見返しのイラストになるんですね!すごく細かく描きこまれていて、今にもネズミたちが出てきそう!貴重なラフ段階も見せていただけて、感動です!
そもそも、このシリーズのさし絵の依頼はどのような形でたしろさんに来たのでしょうか?
出版社の編集者さんからお電話を頂いて、すでにできあがっているさくまさんの訳を送っていただいたんです。それを読んで、是非描かせていただきたいと思い、依頼をお受けしました。
───最初に読んだとき、どんなところが印象的でしたか?
読者になってしまったというか、面白くて一気に読んでしまいました。同時に、登場人物の姿や各シーンなども浮かんできたんです。それと、今まで読み物のお仕事をしたことがなかったので、自分にとってもチャレンジだと思ってやりたいと感じました。
───「5ひきのすてきなねずみ」シリーズ(ほるぷ出版)が好きなこともあって、ネズミといえばたしろさんというイメージがついているんですが(笑)。チュウチュウ通りの登場人物も全員ネズミですよね。そのことについてはどう思われましたか?
私、動物はみんな大好きなので、ネズミだけ特別という訳でもないんです… (笑)。ただ、小さいころから、小さいものの世界に憧れがあって、いろいろ想像をふくらませたり、模型を作って遊んでいたりしていました。ネズミの世界も小さいものという意味で、楽しく想像できました。