
おいしい食べ物が描かれた絵本はたくさんありますが、『パンどうぞ』(講談社)は今までのたべもの絵本にない技法で作られた作品です。作者は「彦坂木版工房」の彦坂有紀さんと、もりといずみさん。そうです! あのおいしい絵本は木版画で作られた作品なんです。焼きたての香りまでただよってきそうな『パンどうぞ』と新作の『ケーキやけました』。お二人のアトリエにお邪魔して、おはなしを伺いました。

- パン どうぞ

- 作:彦坂 有紀 もりと いずみ
- 出版社:講談社
あんパン、ロールパン、ジャムパン、クリームパン、カレーパン、そして最後にできあがるのは……? 木版画で摺られた、今にも香りがただよってきそうなパンのオンパレード。本物以上に「ふわっ」「かりっ」が伝わる、おいしそうなパンいっぱいの絵本です。

- ケーキやけました

- 作:彦坂 有紀 もりと いずみ
- 出版社:講談社
チーズケーキ、バウムクーヘン、アップルパイ、カステラ、ホットケーキ。
木版画で摺られた、焼きたてのケーキたちは、どれもおいしそう。
「ケーキ やけました」「ひときれ あーん」の繰り返しで、
読めばおなかいっぱいになる、おいしいケーキの絵本です。
●『パンどうぞ』『ケーキやけました』の木版画ができるまで
「木版画でパンを作るってどうやるの?」そんな疑問に応えて、制作過程を見せていただきました。

@木版に適した合板の板を彫刻刀で彫っていきます。1点の絵につき、3〜4枚の版木を使います。

A角を滑らかにするため「面取り」をします。

B紙の置く位置を指定する「見当」を彫ります。

C版木が完成したら、水と絵の具を版木に乗せて、刷毛で全体にのばします。

Dグラデーションをつけたいところは、刷毛や布を使い調整します。

E見当の位置に紙を当てながら置き、上からばれんで摺ります。

F 全ての版木でC〜Eの作業を行い、摺りを重ねていけば1枚の絵が完成します。
……いかがでしたか? こんなにたくさんの行程を経て、1枚の絵が完成するなんてビックリしました。
それでは、次のページから、彦坂木版工房の彦坂有紀さん、もりといずみさんへのインタビュー、スタートです。
出版社おすすめ
-
つきのうさぎ 改訂版
出版社:
瑞雲舎
お月さまにうさぎがくらすことになったわけとは? 良寛様の長唄で知られる「月の兎」を元にした絵本
-
ひつじシステム
出版社:
小学館
めくるめく羊の世界!羊を数えると眠れるらしい。羊が1匹、、2匹、…108匹、ちくわ!、そうめん!?…