●絵本作りは編集者との二人三脚です。
───大学在学中から絵を描いてきた堀川さんが、絵本作家になろうと思ったのはいつ頃からでしたか?
大学では、デザインの勉強を主にしていました。大学の講師にブックデザイナーの平野甲賀さんがいらして、平野さんに声をかけていただき、本の表紙のイラストを手がけさせてもらったんです。ちょうど同じ頃に、元福武書店の編集者さんと知り合いになって、児童図書出版協会で発行している「こどもの本」という月刊誌に2年間表紙の絵を描かせていただきました。
───児童図書出版協会での仕事が絵本など児童書の仕事につながっているんですか?
その表紙を見た編集者の方から「絵本の絵も描いてみませんか?」と声をかけていただいて、はじめて出版した絵本が『ぼくのシチュー、ままのシチュー』(復刊ドットコム)です。以降、絵本の仕事をいただくようになって、今に至っています。
───絵本以外にもタブロー(絵画作品)や本の表紙、デザインなどいろいろ活躍をされていると思います。
そうですね。個展でタブローを発表し、そして絵本作家としても新しい作品を発表していけたらと思います。
───絵を描くときと、絵本を作るとき、ご自身の中での違いはありますか?
一番の違いは、絵本は編集者さんとの共同作業だということ。今回の『くだものと木の実いっぱい絵本』は、編集者さんの熱意が私にも移って、2人で駆け抜けて生まれた作品だと思っています。ほかの絵本作りでも、編集者さんといろいろな話をしながら、ストーリーを考え進めていきます。悩んだときは編集者さんに相談して、一緒に考えます。こんなにありがたくて楽しいことってそうそうないです。そうやって作っていけることが絵本の特徴だと思っています。
───たしかに、『くだものと木の実いっぱい絵本』では、編集者さんも一緒に果物農家へ取材に行ったり、とても根気強くお二人で作り上げていったことが伝わってきました。
本当に彼女がいなければ、この絵本はできなかったと思います。それと根気(笑)。絵の仕事は特に根気が培われますから、私も「根気があります!」と胸を張っていう自信があります。
───たくさん取材が続いて、くじけたりすることはなかったですか?
───ステキなおはなしをたくさん伺えました。今日は本当にありがとうございました。
●インタビュー動画 公開中!
インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子