●ボローニャ国際絵本原画展とマイケル・ノイゲバウアーさんとの出会い
───実は以前、スイスのminiedition社のマイケル・ノイゲバウアーさんが絵本ナビにいらっしゃったとき、「今、一番注目の絵本はこれです」と見せてくれたのが、よねづさんの『Rainbow Chameleon』(miniedition社)だったんです。一目見て、「キレイ〜〜」と感動しました。マイケルさんは「今回は、これを日本で出版するために来たんだよ」と言っていたんですが、それからしばらくしてよねづさんの作品が日本で出版されることを知ったんです。
そうでしたか。マイケル・ノイゲバウアーさんがいなければ、今、こうして絵本作家として活動していなかったかもしれない。それくらい僕の人生に大きな影響を与えてくれた人なんです。
───よねづさんの絵本作家デビューのきっかけは、ボローニャ国際絵本原画展での入選と伺いましたが?
───そうなんですか?
自社の作品を海外で売り込むために出展している出版社もありますから、そういうところは、新人の作品は見てくれないことも多いです。その代わり、新人作家の作品を見てくれる出版社のブースでは、持ち込みの長い列ができていたりするんです。僕も入選した年にボローニャに行って、絵本の持ち込みをしました。その中のひとつがマイケルさんの出版社だったんです。
───そのブースでマイケルさんと出会ったんですね。
最初の反応はいかがでしたか?
マイケルさん自身、審査の段階で僕の作品を気に入ってくれたようで、とても前向きに作品について、話をしてくれました。そのあと、早い段階で、マイケルさんのところから絵本を出すことが決まったんです。
───マイケルさんとの最初の絵本は『Bye-Bye Binky』の絵を担当されたんですよね。実際に出版に向けた絵本作りは初めてだったと思いますが、いかがでしたか?
マイケルさんからは、出版にあたって、ページの決まりや開く方向の決まりなど絵本作りの基礎と言われることをたくさん教えてもらいました。
───マイケルさんとの仕事のやり取りはどのようにされていたんですか?
メールでのやり取りもしましたが、マイケルさんは各国を飛び回っている方で、日本にもよくいらっしゃるんです。なので、来日に合わせて打ち合わせを行って、作品作りを進めてきました。
───打ち合わせはやはり英語ですか?
…そうだと格好いいんですが、僕、英語があまり得意でなくて、通訳の方を挟んでやり取りをしています。実はボローニャに持ち込みに行った時も、英語が話せなかったので、「作品を見てください」や「絵本を出版したいと思っています」など簡単な英語だけ覚えていったんですよ。
───それはかなりチャレンジャーですね! いまいあやのさんをはじめ、今、日本で人気の絵本作家さんも、ボローニャで入選後、マイケルさんのところからデビューされているんですよね。マイケルさんは新人の絵本作家さんを育てているんですね。
そうですね。それと、マイケルさんは絵本を自国以外でも出版することをイメージして作られているので、僕にも海外向けの作り方をいろいろ教えてくれました。
───海外向けの絵本の作り方ってどんなことですか?