●『おみせやさんでくださいな!』の魅力は、出てくるお店にウソがないところです。
───『おみせやさんでくださいな!』は特にどんなところが見どころだと思いますか?
出てくるお店にウソがないところですね。お店番をしている動物たちもユニークですし、いろいろ探す要素が隠されているのもさいとうさんの作品ならではだと思います。それと今、このような商店街って減ってきているじゃないですか。だから、子どもたちには新鮮に写り、大人の方にはどこか懐かしく感じるのではないかと思います。
───特に好きなお店はありますか?
やっぱり、本屋さんは最初に探して、じっくり見ましたね (笑)。
花屋さん、ケーキ屋さん、帽子屋さん……楽しいお店がいろいろあるので、眺めているうちに、「この商店街のお店は、どうしてこの配置になったんだろう……」なんて、考えが広がっていくのも楽しかったです。
───たしかに、隣同士のお店の並び方について考えてみるのも楽しそうです。
高木さんは、作者のさいとうしのぶさんともワークショップや原画展などで何度もお会いしていると思いますが、高木さんが感じる、さいとうさんのお人柄を伺えますか?
子どもが大好きな素朴な方というのがさいとうさんの印象です。それと、絵を描くことが大好きで、作品に対する姿勢、子どもに向かう姿もとても素敵だと思っています。
───これから、さいとうしのぶさんに作ってほしい作品などの要望はありますか?
さいとうさんの描く食べ物が本当においしそうに見えるので、美味しい食べ物が出てくる絵本をこれからももっと描いてほしいと思います。例えば、地元でしか食べられない料理とか、なくなりつつある郷土料理とか……。でも、それ以外でもさいとうさんの新しい絵本が出たときには、自信をもって、お客様に宣伝したいと思います!
───とても心強い応援団ですね。最後に、『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』の魅力を教えていただけますか。
やはり、出てこない名前がないところだと思います。濁音も半濁音もきちんと出てきます。そのどのページにもはずれがなく、美味しい食べ物と楽しいキャラクターが登場します。食べ物たちひとつひとつの動きもユニークなので、絵本の絵を見ながら、「このライオンさんは、前のページにも出てきたね」「エビフライは自分からあぶらのプールの中に飛び込んでいるよ」と家族でお話しあいっこしたりも楽しい遊びになるのではないでしょうか。
───ありがとうございました。
文・編集/木村春子
写真/所靖子