●ママはみんな子育てに悩みを抱えているんだと感じました。
───『いっさいはん』が出版されて、かなり早い段階から注目を集めていたと思います。読者の方の反応などはminchiさんの元に届いていましたか?
はい。読者の方から感想をいただいたり、SNSに感想を寄せていただいたりして、大変嬉しく思っています。特に、1歳半の子どもと接することに大変さを感じているお母さんから「自分だけじゃなかったと安心しました」と言っていただくことが多くて、みんなやはり子育てに悩みを抱えているんだなと感じました。
───minchiさんご自身も、子育てに孤独と悩みを抱えているお母さんだったんですよね。
子育てブログをはじめたのも、子育てに対してしんどさを感じていたからですし、何より、子どもができて、世の中がお母さんに対して、ものすごく冷たいということに気づいたからでもありました。『いっさいはん』に出てくるお母さんの表情に笑顔が少ないのは、当時の切羽詰まっていた様子が、そのまま反映されています。
───絵本を読んだ多くのお母さんが、気持ちが楽になったのではと思います。minchiさんの元に届いた感想の中で、特に反響の大きかった「1歳半あるある」はどれでしたか?
やはり、「だっこされたくないポーズ」は「うちの子も同じです!」という声が多かったと思います。あと、「きがつくと ようふくが ぱつぱつに なっている」や「ズボンの すそや おりかえしや ポケットから たいりょうの すなが でてくる」も共感してくださる方が多かったですね。

───どれも、避けては通れない「1歳半あるある」ですね。絵本の中にはお母さんだけでなく、お父さんも登場しますね。
最初はお母さんしか登場しなかったんです。でも、アイディアを出しているときに、「お父さんも育児に参加しているから描かなきゃ」と思って、あわてて追加したんです。お父さんが出てくるのは後半、「お風呂」や「就寝」そして「お出かけ」なんです。この3つが育児の中でも特にお父さんが活躍することが多いかなと思って追加しました。
───「お風呂」がお父さんの役割になっているのは、その時間に、お母さんは夕食の準備や後片付けをしているからかもしれないですね。
改めて見ると、メガネを壊されたり、寝室で、顔面キックやかかとおとしをされたり、ひどい目に遭っていますね(苦笑)

───この絵本を見て、旦那さんは何かおっしゃっていましたか?
普段から私の仕事にはあまり感想を言わないタイプなので、今回も絵本の内容については何も言っていなかったです。でも、絵本を作ることが決まったときは「頑張って」と応援してくれました。
───お子さんの反応はいかがでしたか?
とても喜んでくれていました。娘は小さいころ、自分が赤ちゃんだった頃のことをすごく知りたがる時期があったんです。そのときは写真を見せたり、赤ちゃんだった頃のエピソードを話していましたが、今なら絵本があるので、これを見ながら話ができると思います。
───たしかに小さい子って、自分もまだ小さいのに、赤ちゃんのころのことを懐かしそうに話したり、聴きたがったりしますよね。
ちょっとお兄ちゃん、お姉ちゃんらしさが出てきたときの、その姿はとても可愛いですよね。絵本を描いたとき、「大人だけが楽しい作品だ」とおっしゃる方もいましたが、私としては、子どもにも楽しんでもらいたい、大人と子どもが一緒になって、絵本を囲んでほしいと思っていました。「親子で一緒に楽しみました」という感想をいただけるととても嬉しいですね。
───「1歳半」というと、とても短い期間のように感じますが、お母さんたちにとってはかなり思い入れの深い、そして男女問わず同じあるあるを共有できる時期のように思いました。
そうですね。男の子も女の子も関係なく、砂場で遊ぶのが好きですし、おっぱいが好きです。遊ぶときは全力で、泣くときも全力で、眠るときも全力……。親御さんは寝不足と疲れで、日々大変かもしれませんが、振り返ったときに、より感慨深く思い出せるのが「1歳半」なのかもしれません。









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