絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  シェフがお客で、お客がシェフで?! 中毒性がクセになる!『へんてこレストラン』 古内ヨシさん 竹内通雅さんインタビュー

一緒に笑って、一緒に賢くなってもらいたい。

───絵本の話に戻りますが、この表紙も、最後までおはなしを読んだ後だと、新しい発見があって楽しいですね。

古内:そうなんです。なぜ表紙がカバで、料理をしているか……というのが、最後まで読むと分かると思います。そうして、また最初から読みたくなるんです。そういうしかけを通雅さんが絵の中に入れてくれました。

───実際に読者からの感想などはとどいていますか?

古内:絵本ができる前になるんだけれど、この本の担当編集者さんが、知り合いのいる小学校で読み聞かせをしてくれたそうなんです。聞いてくれたのは、小学3年生の子どもたちだったんだけど、ページをめくるごとに、「えーーー!」とか「ギャー」とか歓声が上がって、とても盛り上がったと教えてくれました。

───うれしい反応ですね。

古内:そして、最後に行くにしたがって、「もしかして、このネコ、前の場面に出てきていたかも!」と言い出す子が出てきて、読み終わると「もう一回読んで!」とアンコールの声があがったそうです。

竹内:まさに、ぼくたちが願った通りの楽しみかたをしてくれました。

───その子たちのように、『へんてこレストラン』を楽しんでくれる子どもたちが、たくさんいると思います。今日は、おふたりにお話を伺うことができて、とても楽しかったです。最後に絵本ナビユーザーへメッセージをお願いできますか。

古内:ここはちょっとうまいこと言わないとね。

竹内:古内さん、任せた(笑)。

古内:「頭の良い子を育てましょう」……というと、誤解を招くかもしれませんが、ぼくの思う「頭の良い子」というのは、柔軟な発想力をもって、なんでも挑戦できる子のことです。例えば、この絵本に出てくるような「へんてこレストラン」をどんどん考えてしまうようなね(笑)。ぜひ、『へんてこレストラン』を読んで、大人も子どもも、一緒に笑って、一緒に賢くなってもらいたいです。

竹内:そうですね。へんてこを楽しむ。心に余裕を持つことは大切だよね、ということを、ぼくも古内さんも伝えたくてこの絵本を作りました。これを読んだ後に、家族みんなで「どのレストランに行きたい?」とか「ほかにどんなへんてこレストランがあるかな?」とか、ワイワイ盛り上がってもらえたらうれしいです。

───ありがとうございました。

取材・文/木村春子
写真/所靖子

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古内ヨシ(フルウチヨシ)

  • 1952年愛知県生まれ。絵本作家。子どものころから絵を描きつづける。色が重なってどろどろになっても描きつづける。10歳で油絵をはじめ、15歳で洋画家・白浜禎吉氏に師事。イラストレーターをへて、40代で絵本の世界へ。主な絵本の作品に、『おばけのムニムニ』(あかね書房)、『ともがき』『子ぐものいのり』(文・久留島武彦/幻冬舎ルネッサンス)、『ながーいでんしゃ』(至光社)、『すごいサーカス』『オナラせんせい』(絵本館)、『つきよのニャロベエ』(論創社)、『ウシくんにのって』(絵本塾出版)など多数。

竹内通雅(タケウチツウガ)

  • 1957年長野県生まれ。創形美術学校版画科卒。雑誌『イラストレーション』のコンペで第3回「ザ・チョイス年度賞」大賞受賞。39歳でイラストレーターから絵本作家へ。主な絵本の作品に、『走れメロス』(作・太宰治/ほるぷ出版)、『月夜のでんしんばしら』(作・宮沢賢治/三起商工)、『おどるカツオブシ』(文・森絵都/金の星社)、『じごくのさたもうでしだい』(文・もとしたいづみ/ひかりのくに)、『ぐるぐるぐるぽん』(文・加藤志異/文溪堂)、『ぶきゃぶきゃぶー』(文・内田麟太郎/絵本館)など多数。

作品紹介

へんてこレストラン
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文:古内 ヨシ
絵:竹内 通雅
出版社:絵本塾出版
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