●一緒に笑って、一緒に賢くなってもらいたい。
───絵本の話に戻りますが、この表紙も、最後までおはなしを読んだ後だと、新しい発見があって楽しいですね。
古内:そうなんです。なぜ表紙がカバで、料理をしているか……というのが、最後まで読むと分かると思います。そうして、また最初から読みたくなるんです。そういうしかけを通雅さんが絵の中に入れてくれました。
───実際に読者からの感想などはとどいていますか?
古内:絵本ができる前になるんだけれど、この本の担当編集者さんが、知り合いのいる小学校で読み聞かせをしてくれたそうなんです。聞いてくれたのは、小学3年生の子どもたちだったんだけど、ページをめくるごとに、「えーーー!」とか「ギャー」とか歓声が上がって、とても盛り上がったと教えてくれました。
───うれしい反応ですね。
古内:そして、最後に行くにしたがって、「もしかして、このネコ、前の場面に出てきていたかも!」と言い出す子が出てきて、読み終わると「もう一回読んで!」とアンコールの声があがったそうです。
竹内:まさに、ぼくたちが願った通りの楽しみかたをしてくれました。
───その子たちのように、『へんてこレストラン』を楽しんでくれる子どもたちが、たくさんいると思います。今日は、おふたりにお話を伺うことができて、とても楽しかったです。最後に絵本ナビユーザーへメッセージをお願いできますか。
古内:ここはちょっとうまいこと言わないとね。
竹内:古内さん、任せた(笑)。
古内:「頭の良い子を育てましょう」……というと、誤解を招くかもしれませんが、ぼくの思う「頭の良い子」というのは、柔軟な発想力をもって、なんでも挑戦できる子のことです。例えば、この絵本に出てくるような「へんてこレストラン」をどんどん考えてしまうようなね(笑)。ぜひ、『へんてこレストラン』を読んで、大人も子どもも、一緒に笑って、一緒に賢くなってもらいたいです。
竹内:そうですね。へんてこを楽しむ。心に余裕を持つことは大切だよね、ということを、ぼくも古内さんも伝えたくてこの絵本を作りました。これを読んだ後に、家族みんなで「どのレストランに行きたい?」とか「ほかにどんなへんてこレストランがあるかな?」とか、ワイワイ盛り上がってもらえたらうれしいです。
───ありがとうございました。
取材・文/木村春子
写真/所靖子