うまれてきてくれてありがとう うまれてきてくれてありがとう
作: にしもとよう 絵: 黒井 健  出版社: 童心社 童心社の特集ページがあります!
プレゼントにも喜ばれています。いのちの大切さを伝える1冊

連載

【連載】デビュー20周年記念連載 みんな大好き! なかやみわさんの絵本

絵本ナビ

2018/03/01

【連載】第1回 キャラクターデザインから絵本作家への転身

【連載】第1回 キャラクターデザインから絵本作家への転身

企業のキャラクターデザイナーとしてのキャリアをスタートさせたなかやさんが、絵本作家を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか……?
連載第1回目は、なかやさんと絵本の出会いから、デビュー作『そらまめくんのベッド』が生まれるまでのお話を伺いました。
●「ずっと残る仕事がしたい!」 キャラクターデザイナーから絵本作家への転身。
―― 絵本作家20周年、おめでとうございます。
なかやさんは絵本作家になる前、サンリオでキャラクターデザインの仕事をされていたと聞きました。そこから、なぜ、絵本作家になろうと思ったのですか?


絵を描くのは小さいころから好きで、美大ではグラフィックデザインを勉強していました。
絵本作家になりたいと思ったのは、社会人2年目くらいのころ。
ちょうど、デザイナーの仕事が、自分に合わないなぁ……と思っていた時期なんです。
―― どんなところで、そう感じたのですか?

当時、会社には80人くらいのデザイナーがいて、年に何度か、市場に売り出すキャラクターのデザインを考えるコンペが開催されていました。
私もコンペに自分で描いたキャラクターを出すのですが、なかなか通ることがありませんでした。

―― 80人ものデザイナーが、商品化を目指してコンペに参加するんですね。
すごい競争率ですよね。


そうなんです。しかも、コンペに通って、見事キャラクターとして売り出すことができたとしても、人気が出なければ、1年くらいで売り場から消えてしまう……。
人気になるキャラクターを作るためには、その時々の流行を上手に取り入れたり、自分のデザインを流行りに合わせて変えていくなどの工夫ができないと続けていけない世界なんです。
デザイナーの仕事をする中で、私には、そういう才能がないと思うようになり、ちょっと行き詰っていました。
そんなとき、いつも仕事の資料探しに入る本屋さんの洋書売り場には、私が子どものころ好きだった『おさるのジョージ』(作:マーガレット・レイ 絵:H.A.レイ 訳:光吉夏弥 出版社:岩波書店)や『スノーマン』(作・絵:レイモンド・ブリッグズ 出版社:評論社)などが、今でも並んでいることに気づいたんです。
「絵本だったら、自分の作品を長く残すことができるかもしれない……」。そう気づいてから、絵本作家になりたいと強く思うようになりました。
―― それは、デザイナーになって何年くらいたったころだったんですか?

入社2年目くらいだったと思います。きっかけは洋書の絵本だったのですが、その後、日本の絵本売り場を見てみると、こちらにも『からすのパンやさん』や『ぐりとぐら』など、私が子どもの頃に楽しんだ作品が並んでいる。しかも、今の子どもたちが夢中になって読んでいるんです。
だから、私がもし絵本を作るとしたら、キャラクターデザイナーをしていた経験を生かして、洋書の絵本のようなキャラクターとその世界観がしっかりしている絵本を作ったらいいのではないかと思いました。
―― 絵本作家になりたいと思ってから、どのように1冊目の出版につながったのですか?

当時は今のようにインターネットも発達していないですから、絵本作家になるための情報もほとんどありませんでした。情報を得る手段は、本屋さんで売っている専門誌くらい。そこで、絵本専門誌「MOE」を購入して、そこに掲載されている絵本作家さんの講演会情報を見ては、その講演会に出かけていきました。
絵本作家の川端誠先生が絵本講座を開いているのを知ったのも、雑誌からでした。ためしに1回見学に行ったら、ちょうど、川端先生が絵本になる前のラフや原画を、生徒たちに見せてくれていたんです。
それがすごく面白くて、川端先生のお話をもっと聞きたいと思って、1年間、その講座を受講しました。
―― それは仕事を続けながらでしたか?

はい。授業は土曜日だったので、平日はデザイナーとして会社に通って、土曜日は隔週で絵本の講座を受けました。川端先生の授業では、「見よう見まねでいいから、絵本を作ってみよう」というものでした。
そこではじめて、絵本を作って、川端先生に見ていただきました。すると、絵本のページ数のこととか、ページのめくりの効果とか、専門的なことをとても丁寧に教えてくれたんです。
川端先生の指導で、絵本のことがなんとなくわかってきて、1年間でいろいろ試行錯誤しながら作品を作り続けました。その中の1冊に『そらまめくんのベッド』の原型がありました。
いろいろな作品のラフ画。
―― ラフを見せていただきましたが、すごく完成度が高いですよね。

これは出版社に持ち込みをしたものなので、かなり出来上がっている状態です。この前にもっと粗い状態のラフがあって、それを川端先生と講座の生徒さんたちに見せながら、どんどんクオリティーを上げていきました。
川端先生の授業を1年受けた後、次に、編集者の松田素子さんの授業を受けることにしました。
編集者の目に私の作品がどのように映るか、試したかったんだと思います。
――  松田素子さんは初期の「MOE」の編集長も務められた、ベテラン編集者。『そらまめくんのベッド』を見せたときの反応はいかがでしたか?

割と早い段階から「持ち込みのレベルに達している、いい作品だと思います」と言っていただきました。そのうえで、どの出版社に持ち込みをしたいか聞いてくれたんです。
当時、私は出版社のことをあまり知らなくて、唯一知っている「福音館書店」の名前を挙げました。
すると、松田さんが福音館書店の知り合いの編集者の方を教えてくれて、その方に作品を見てもらうことになりました。
―― 福音館書店の編集者さんに作品を見せて、すぐに出版されることが決まったのですか?

いいえ。作品を見てもらって「面白いから預からせてください」と言われて、3か月間は何も連絡がありませんでした。それで、やっぱり駄目だったんだろうと思ったんですが、「『こどものとも』に掲載したいと思います」と連絡があり、月刊絵本の形で出版されることが決まりました。1997年のことでした。

―― それはすごく嬉しかったですよね。

てっきり、返されるものだと思っていたので、すごく驚きました。当時は、もしかしたらこれが、最初で最後の絵本出版になるかもしれないから、きちんと描こうと思って、全身全霊を込めて描きました。
そうしたら、出版後、読者の方から感想のお便りなどをいただいて、2度ビックリ。なぜなら、私は好きな作品を読んでも、出版社に感想を送ろうなんて、今まで思ったこともありませんでしたから。
でも、『そらまめくんのベッド』は、出版した直後から、保育園や幼稚園の先生、お父さんお母さんから、子どもと読んだ感想がたくさん送られてきたんです。
その感想だけでもすごく嬉しかったのですが、その声によって、「こどものとも傑作選」に選ばれて、ハードカバーになりました。
―― やはり、読者からの反応は、作品を作る上でも力になりますか?

そうですね。私は出版社の方に常に「作品に届いたお手紙は、全部見せてください」とお願いしているんです。それは、良い意見だけでなく、批判や疑問などもきちんと受け止めて、作品作りに生かしたいと思っているからです。ありがたいことに、デビュー以降、めったに批判をいただくことはありませんでした。
絵本作家という仕事は、一作一作で終わっていくものなので、長く続けていくには、読者の方に面白いと思っていただけないといけないと思っています。
思えばこの20年間、ずっと、読者の方の「次の作品が読みたい」という声に後押しされて、続けてこられたのだと思います。
―― なかやさんの絵本作家デビューについていろいろ伺うことができました。次回は、なかやさんが生み出した作品について、フォーカスしていきたいと思います。

●新刊情報

やさいのがっこう とうもろこしちゃんのながいかみ やさいのがっこう とうもろこしちゃんのながいかみ」 作:なかや みわ 出版社:白泉社

大好評シリーズ3弾は、ながーい髪がチャーミングだけど、ちょっぴり不便でなやんでいるとうもろこしちゃん、大ふんとうの巻です!

MOE 2018年4月号 MOE 2018年4月号」 出版社:白泉社

■ 巻頭大特集 ■
デビュー20周年!
なかやみわ 愛される絵本
『そらまめくんのベッド』でデビューして20周年を迎えるなかやみわさん。
「そらまめくん」「くれよんのくろくん」「どんぐりむら」
「やさいのがっこう」など、 子どもから絶大な人気の4つの絵本シリーズを
中心に、累計約800万部のベストセラー絵本の数々が生まれた秘密を読み解きます。

●イベント情報
開館20周年・作家活動20周年記念特別展
「なかやみわ 絵本の世界展」

画業20周年の企画展として、人気絵本シリーズの原画100点以上、ラフ画などを展示公開。
ワークショップや講演会、サイン会なども開催予定です。

会場:一宮市三岸節子記念美術館
期間:2018年6月30日〜8月19日
URL:http://s-migishi.coms-migisi.com


●サイン会&講演会
日時:7月7日(土)
サイン本:14時〜15時
講演会 :15時15分〜16時

・ワークショップ「はじき絵をかこう!(仮)」
日時:8月8日(水) 14〜16時
※詳細は決まり次第、美術館ホームページで お知らせします。
「MOE40th Anniversary
島田ゆか 酒井駒子 ヒグチユウコ ヨシタケシンスケ なかやみわ 5人展」

会場内で、なかやみわさんの原画が展示されます!
会場・会期:
(東京)松屋銀座 2018年4月18日〜5月7日
URL: http://www.matsuya.com/m_ginza/

(宮崎)みやざきアートセンター 2018年夏頃
URL:http://miyazaki-ac.com/

(大阪)阪急うめだ本店 2018年冬頃
URL:https://www.hankyu-dept.co.jp/
【サイン会】

●トーハン「こどもの本ブックフェア」京都会場
日時:7月22日(日)13時〜15時
場所:京都市勧業館(みやこめっせ) 第2展示場


・「やさいのがっこう とうもろこしちゃんのながいかみ」発売記念サイン会
会場:くまざわ書店調布店
東京都調布市布田4-4-22 トリエ京王調布A館4階
TEL:042-490-2052
日時:4月8日(日) 14時〜(30名) 15時〜(30名)
※参加の方には、1冊につき1つ特製マグネットをプレゼント。
※サイン会の前に、絵本専門士によるおはなし会も開催。


※期間内【2018年3月1日から2018年4月25日まで】にご回答いただいた絵本ナビメンバーの方全員に、 絵本ナビのショッピングでご利用いただける、絵本ナビポイント50ポイントをプレゼントいたします。
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