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【今日の1冊】 365日おすすめ絵本 (1〜2月)

絵本ナビ編集部

2016/01/30

【今日の1冊】1月30日 「ハラハラの鬼の名前当て対決」

【今日の1冊】1月30日 「ハラハラの鬼の名前当て対決」

「今日は何の日?」「今日はどんな絵本を読もうかな?」
一日の始まりがワクワクするような絵本を毎日ご紹介します。

声に出して読むと楽しいこんな日本昔話は、いつの時代も子どもたちに大人気!
● 「おまえの目玉をよこしたら橋をかけてやる」鬼に言われた大工は…?
昔、あるところにとても流れの速い大きな川がありました。どんな橋をかけても流されてしまうので、村の人は困りはて、腕のいい大工に工事をお願いしました。
しかし、引き受けてはみたものの大工も本当に作れるのか、心配になってしまいました。そんなとき、大きな鬼があらわれて、「おまえの目玉をよこしたら橋をかけてやる」と言います。次の日、川へ行ってみるとどうでしょう。おどろいたことに、りっぱな橋が半分できていたのです……。

さあ、本の表紙の鬼の絵を見てください。からだも巨大だし、手も口も大きくておそろしそう。こんな鬼に「目玉をよこせ」なんて言われてとっても怖いはずなのに、この大工ったら、「おれは、どうでもいい」なんて返事をしてうちへ帰ってしまうのです。ええっ、そんな適当な返事をして大丈夫なの? とびっくりしていると、ここからさらに意外な展開が待ち受けています。

でも、誰だって目玉をとられるのは困ってしまいますものね。鬼と大工の知恵くらべ、いや、運くらべの始まりです。おおらかな大工と鬼のやりとりは、スリリングだけど、なんとも言えないおかしみをかもしだしています。「してやったり!」「やられたー!」というお互いの心の声が聞こえてきそうな、ころころ変わる鬼と大工の表情にも注目です。

会話のテンポや擬音表現がおもしろいので、ぜひ声に出して楽しんでみてください。最後の大工のセリフは、お子さんと一緒に大きな声で読みたいですね。

(光森優子  編集者・ライター)

だいくとおにろく だいくとおにろく」 再話:松居 直
画:赤羽 末吉
出版社:福音館書店

川に橋をかけようとする大工とその川に住む鬼のユーモラスなやりとり、民話の語り口を生かした文章、日本の伝統的な美しい絵、すべてが子どもを満足させます。


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