育児疲れで鬱になり、少しでもリラックスしようと岩盤浴に行き、
この本に出会いました。
とても衝撃を受けました。りんごの木はぼうやのために尽くす。ぼうやは当然の如く搾取する。
自分が困ると頼って、感謝の気持ちも言葉もない。
りんごの木はそれでも幸せを感じる。
少年になっても大人になっても中年、老人になってまでも
りんごの木を頼りにする。
育児に疲れていた私には、この木は母親、ぼうやは子どもと
映りました。母親は子どものために子どもの笑顔を見るためだけに
自身を削って一生尽くさなければならないのか。
子どもはそれを当然と思ってしまうのか。
そんな考えが頭をグルグル回り、絶望して涙が止まりませんでした。
ぼうやはどんどん大きくなっていきますが、
帰ってくるたびあまり幸せそうではないと感じました。
木の、与えるだけの愛は本当にぼうやを幸せにしたのでしょうか。
ただの木の自己満足としか思えない。
私には木の気持ちがわからない。
読む人によってもその時の精神状態によっても
感じ方は変わると思いますが、私には辛い作品でした。
ただ、少しでも木の気持ちを理解したくて
何度も読み返しています。
すごく考えさせられる深い内容のお話だと思います。