星野高士さんの俳句に「そら豆のやうな顔してゐる子かな」と詠んだものがあります。
季語は「そら豆」、夏の季語です。
この俳句のような実際そら豆に似た顔の子供がいるようで、よく見たら人の顔に近い表情をした野菜だと思います。
なので、絵本の主人公になってもおかしくはありませんし、読み手である子どもたちも「そらまめくん」には親近感がわくのも当然です。
なかやみわさんの「そらまめくん」シリーズの人気が高いのもよくわかります。
この絵本では「そらまめくん」のほかに豆科の仲間たちがたくさん登場します。
えだまめにピーナッツ、さやえんどうにグリーンピース。ここまでは最初「そらまめくん」のお家のそばにいたお友だち。
ある日、「そらまめくん」自慢のふわふわのベッドが傷んできて、新しいわたを探して出会ったのが、うずらまめにひよこまめ。それにスナップえんどう。
こうみてくると、「そらまめくん」の仲間がたくさんいます。
でも、厳密にいえば、さやごとたべるさやえんどうとさやの中の丸い実をたべる実えんどうとがあります。
あるいは、つるをどんどん伸ばすものもいればそれほど大きくならないものもいます。
花の形はよく似ていますが、少し色がちがったり、さやのふくらみ方がちがったりもします。
でも、豆科の食べ物は美味しいし、栄養もたくさんあります。
この絵本を読みながら豆の種類を勉強するのもいいけれど、八百屋さんで実物を見て(それから食べて)おいしさを実感するのもいいと思います。