斎藤隆介と滝平二郎のコンビで作られた物語は迫力満点のくせをして安心して見ていられる。
物語の展開が期待を裏切らないからである。
この物語は一人で山に岩魚釣りに出かけて道に迷った三平が猫ババの屋敷にたどりつくところから展開する。
そこで家からいなくなった猫のニャンコと出会い、屋敷の仕組みと危険を教えられる。
おそろしい屋敷から逃げ出したものの、猫ババと子猫たちに追いつかれて逆に猫ババを退治する展開はミゴト。
この物語の根底に三平の猫たちに対する思いやり愛情と猫ババに向かっていく強さを感じる。
そう考えると、子どもたちにとって決して怖い話ではない。
滝平二郎も物語を見事に描ききっていて無駄がない。
まさに切り絵の世界である。