キナコは、ネコです。ネコだけど、あたしの妹です。
なのに、ママが、赤ちゃんが生まれるからって、キナコをおばあちゃんにあずけようって言いだした。
あたしはそんなの絶対にヤダ! キナコを預けるくらいなら、赤ちゃんなんていらない!
キナコはあたしが守るってきめた。
キナコをおばあちゃんちに連れていかれないように、学校に連れてきて、倉庫に隠した。
でも、キナコがどこかにいなくなっちゃった……。
「ママのせいじゃん! ママがわるいんだよ。ママがキナコのこと、じゃまにしたから、赤ちゃんばっかりだいじにして。キナコが いなくなっちゃったのは、ママのせいだもん!」
いっぱいいっぱいどなって、わーって、ないた。
「ごめん。ごめんね」
ママは、あたしを ぎゅってした。
家族が増えることに対する戸惑いや葛藤を通じて、少しずつ成長していく女の子の物語。第39回日本児童文芸家協会賞受賞者による幼年童話です。
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