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「こどもの行事 しぜんと生活」シリーズかこさとしさんインタビュー

だるまちゃんとてんぐちゃん』『からすのパンやさん』『どろぼうがっこう』…。
子どもの頃、みなさんも1度は読んだことがあるのではないでしょうか?これらの作品を生み出したかこさとしさんは今年、月1回のペースで『こどもの行事 しぜんと生活』(作・絵:かこさとし、小峰書店)を刊行されました。その「1月のまき」から「12月のまき」の全12巻コンプリートを記念して、かこさんのアトリエにお邪魔し、お話を伺いました。憧れとも違う、子どもの頃から「当たり前」にあった絵本の作家さんにお会いできる機会に、スタッフ一同緊張しながらの訪問でしたが、かこさんはとても穏やかに迎えてくださり、話の端々にユーモアを交えながら、インタビューに答えてくださいました。
絵本作家として60年以上第一線で活躍されているかこさんの、子どもに対するまなざしや絵本を作ることへの思い、さらに今回、絵本ナビのために特別に見せていただいた幻の原画まで、大充実のインタビューです。

『こどもの行事 しぜんと生活』の特設ページ(小峰書店)もご覧ください>>>

かこさとし こどもの行事 しぜんと生活 12月のまき
文・絵:かこ さとし
出版社:小峰書店

秩父夜祭、アエノコト、羽子板市、歳暮、正月事はじめ、なまはげ、大みそかなど、たくさんの絵で行事の由来を紹介する行事絵本の決定版! 大雪、冬至などの二十四節気、冬の星、クリスマス飾りの工作なども紹介。

「3年前に全ての原稿が出来上がっていたんです」

───かこさんの作品には私自身も子どもの頃に楽しませていただきました。全ての作品についてお話を伺いたい!と思うのですが、そうすると時間がいくらあっても足りませんので、グッと我慢して…(笑)。 最新作『こどもの行事 しぜんと生活』について色々伺えたらと思います。 この絵本は毎月1冊刊行ということですが、かなり早いペースで制作などは行ったのでしょうか?

実はこの絵本は3年前にすでに原稿をはじめ、全部終わっていたんですよ。

───え!3年も前にですか?

そうなんです。そのため発売前の作業は編集部でのチェックや色校の確認などがメインでした。ただ、やはり3年経つと内容が古くなっている部分も出てくるので、最新で載せる必要があるものは、ページ構成を調整するなどのやり取りを行いました。

───それは「3月のまき」に載っている、東日本大震災のことなどですね。東日本大震災の発生直後に、これほど大震災のしくみが詳しく、分かりやすく書かれていることにビックリしました。

日本は地震国ですから、地震については元々「9月のまき」に載せることは決まっていたのですが、一番最近の震災は絶対に載せなければと思いました。

───「こどもの行事 しぜんと生活」は、今までかこさんが手がけられた科学絵本とも、物語絵本とも違う、「伝承絵本」という新しいジャンルのように感じました。

私の絵本はどの絵本についても同じことが言えるんですが、絵本を作ろうと思って作っているわけではないんですね。たまたま出版社さんから声をかけていただいて、描かせていただいているんです。今回の行事絵本は出版業界が厳しいといわれるこのご時勢に、12冊も描かせていただけるということで、大変ありがたいと思って作りました。
行事については、以前から「行事と行事以外の伝承的なもの、それに植物や昆虫や食べ物や、子どもの遊びなんかが、総合的にまとまっている子どもさんの本を誰か作ってくださらないかな〜」と待っている自分がいたんです。かれこれ60年くらい前から…(笑)。でも、どなたも作ってくださらなかったから、今回、お話をいただいて、じゃあ僕が作ろうって思ったんです。

───では、本を作るための資料は60年分たまっていたんですね。

そうなんです(笑)。

───そんな莫大な資料を絵本のページ数に凝縮するのは、大変な作業だったのではないですか?


細かく情報が描き込まれているラフ。

載せたいことは確かに沢山ありましたが、ぼくの中で一番大事だと感じていたのは「なぜ昔からある行事を今の子どもに伝えるのか」というところを明確にすることでした。
行事の中には形式だけ残っていて、すでに廃れてしまっているものも多々あります。でも行事には、その時代に生きていた先人達の精神が入っているんです。その部分もしっかりと伝えていく必要のあるものでなければ載せられないと思いました。
それと、絵本は日本全国の子ども達が読むものなので、366日の中で各県を登場させるようにすることと、1カ月の中で1回は各地方が出てくるように地域の平均化は考えました。

───行事のページの次に食べ物があったり、お祭の後に季節の花や昆虫の説明が載っていたりと、内容が多岐にわたっていて、構成のバランスが、かこさんならではだと感じました。

どんなに昆虫が好きな子でも、昆虫だけで1年間過ごせるわけじゃないのでね、昆虫もあって、おいしいものもあって、体を動かして遊ぶ内容もあって…、1つの月についていろんなことを総合的に学ぶことができるように意識しましたね。

───大人でも知らなかったことがすごくたくさん入っていて読み応えがあり、さらに子どもにも分かるように描かれているので、とても理解しやすかったです。 見返しには有名人の生まれた日や命日がカレンダーになって載っていて、ついつい、自分の生まれた日を確認してしまいますね。

「僕の誕生日は、こんなに素晴らしい人と一緒なんだ!」とワクワクしてもらえたら嬉しいです。今はグローバルな時代ですから、日本人にとどまらず、世界中からこれぞという有名人をセレクトしました。
この有名人のリストは僕のひそかな宝物で、あと5,6冊絵本ができるくらいはストックがあるんですよ。出版社の人に見せてくれと言われているけれど、ヒミツにしています(笑)。

───かこさんの絵本はどの絵本にも見返しに絵が描かれていますよね。

これはまだ僕が絵本を描き始めて間もない頃に、見返しに何も描いていない絵本を見てがっかりした思いがあって…。「きっと子どもさんも僕と同じように見返しが色紙だとがっかりするんじゃないかな。僕の絵本を買ってくれる子どもさんにはずっとワクワクしてほしいな」と思って描いています。

───他にも制作の中で特に苦労をした部分はありますか?

載せ方を迷ったもののひとつに、旧暦と新暦の違いがありました。
昔は行事を旧暦で行ってきたので、それを載せるとき、旧暦のままでいいのか、新暦に直した方がいいのか、すごく悩みました。他の行事の絵本などを見ても、表記のしかたはまちまち。僕は、太陽と月の関係と暦のでき方を子どもさんに知ってほしいと思って、意識的に旧暦と新暦の両方を記載することにしました。

───それぞれの月の中でのかこさんの気に入っているところや印象に残っているページを教えていただけますか。

…なにしろ3年前のことですからねぇ…(苦笑)。

<かこさんに各巻のみどころをお伺いしました!>

「1月のまき」
おめでたい月なので、楽しい華やかな行事をたくさん載せました。
僕は食いしん坊なので、各地のお雑煮を描けたのが幸せでした。



「2月のまき」
雪国生まれの僕は、一度でいいから雪のことをいやってほど描きたいと思っていたんです。この巻でその夢が果たせました。それと閏月について詳しく書けたのも良かったです。


「3月のまき」
3月は何といっても東日本大震災のことを書かなければと思い、急遽ページを構成しなおしました。12巻の中でも最も印象強く残っている出来事です。


「4月のまき」
いろんな1年生を描くことができた、1月と同じくおめでたい月です。桜の花びらを種類別に描いたので、お花見のときに観察してもらえると思います。


「5月のまき」
愛鳥週間で鳥の「ききなし(鳥のさえずりを人間の言葉に当てはめて憶えやすくしたもの)」を描けたのが印象に残っています。地域によって微妙に違っていたり、ちょっとうがった見方を鳥の声に当てはめたり、民衆の知恵を感じますね。


「6月のまき」
僕の兄が歯医者なので、僕自身、歯の絵本をたくさん描いています。6月はやはり「歯の衛生週間」。虫歯の話を描きました。


「7月のまき」
僕はトンボ少年だったけど、セミ少年でもありました。虫かごなんかなかったから、紙袋にセミを入れて持って帰って、家の中で袋が破けてしまって大変なことになったこともありました。セミを描くのが楽しかったです。


「8月のまき」
流行に乗っかったわけではないですが(笑)、地獄絵は迫力があると評判でした。お盆、お祭り、そして必ず伝えなければならない原爆、戦争です。


「9月のまき」
日本は地震とともに台風の国でもあります。台風の仕組みを描けたこと、過去の台風の上陸日を一覧に出来たのが良かったです。


「10月のまき」
渡り鳥とハロウィンについて描いたことが印象に残っています。あと、いろんな結婚記念日も描きました。結婚100周年はまだ名前がないので、是非実践して名前を付けてください。


「11月のまき」
昔は稲作が日本の中心だったので、行事の中には農業に関係のあるものも多かったんです。でも今は、農業の形態がどんどん変わっている。今後、農業に関する行事がどのように変わっていくかは分かりません。ただ新しい生活様式に変わる中で、農業の形態について知っていてほしいと思い、描きました。


「12月のまき」
1月に同様、イベントが目白押しのおめでたい月です。でも僕が書きたかったのは開戦のことでした。今は敗戦ばかりが取り上げられていますが、何事も始まりがあった。そのことを伝えたいと思いました。


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かこ さとし(加古里子)

  • 1926(大正15)年福井県武生町(現・越前市)生まれ。1948年東京大学工学部卒業。工学博士。技術士。
    民間化学会社研究所に勤務しながら、セツルメント活動、児童文化活動に従事。1959年から出版活動にかかわり、1973年に勤務先を退社後、作家活動とともに、テレビニュースキャスター、東京大学、横浜国立大学などで児童文化、行動論の講師をつとめた。
    また、パキスタン、ラオス、ベトナム、オマーン、中国などで識字活動、障がい児教育、科学教育の実践指導などを行い、アメリカ、カナダ、台湾の現地補習校、幼稚園、日本人会で幼児教育、児童指導について講演実践を行った。
    『だるまちゃんとてんぐちゃん』『かわ』(福音館書店)、『からすのパンやさん』(偕成社)、『富士山大ばくはつ』(小峰書店)など、500冊以上の児童書の他、『伝承遊び考』(全4巻・小峰書店)など著書多数。
    土木学会著作賞、日本科学読物賞、児童福祉文化特別賞、菊池寛賞、日本化学会特別功労賞、神奈川文化賞、川崎市文化賞、日本児童文学学会特別賞、日本保育学会文献賞、越前市文化功労賞、東燃ゼネラル児童文化賞などを受賞。
    現在、科学、文化、教育に関する総合研究所を主宰。

作品紹介

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