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『いろは いろいろ』『ホーキのララ』沢木耕太郎さんインタビュー

ノンフィクション作家として数々のお仕事をされてきた沢木耕太郎さん。絵本ナビ読者の中にも『深夜特急』などを夢中になって読んだ方がいらっしゃるのではないでしょうか。
沢木耕太郎さんは昨年、2012年に絵本『わるいことがしたい!』、児童書『月の少年』を同時出版し、今年さらに2冊の絵本、『いろは いろいろ』と『ホーキのララ』を同時出版しました。
沢木さんがなぜ今子ども向けの本を書こうと思われたのか、4冊の本の誕生の背景をうかがいました。

幼い娘に語った即興のお話が出発点

───刊行された4点を並べて手にとってみると、印象がそれぞれぜんぜん違うことに驚かされます。
子ども向けの本を書こうと思ったきっかけや、具体的なエピソードがあったら教えてください。

僕はルポルタージュやノンフィクションを書いてきましたが、かつて一緒に本作りをした編集者が児童書部門へ異動したことが直接のきっかけです。
4年くらい前になりますが、彼とお酒を飲んでいて『深夜特急』の話になりました。20歳代だった自分も年をとって父母を見送る年齢になり(『無名』という亡くなる父について書いた本があります)、『深夜特急』を読んでくれていた若かった読者も同じように年齢を重ねていく。自分の加齢とともに読者の年齢層は広がりましたが、「『深夜特急』の読み手より若い層は、いないね」という話になったんです。
「ゆりかごから墓場まで」じゃないけれど(笑)、あかんぼうから子どもたちの層に向けて、何か書いてみるのもおもしろいんじゃないかと。酒を飲みながらの話ではあったんですが、ちょうどその頃実際に編集者が異動になり、話が具体化しました。あらためて子育て時代を振り返ると、書けそうな「お話のタネ」がたくさんある気がしてきました。

───子育て時代がある、お父さんでいらっしゃったんですね。

娘が生まれたとき僕は35歳で、当時にしては、子どもを持つのは比較的遅いほうだったと思います。でも、実は、子どもが生まれたからといって自分の生活を変える必要なんかないとどこかでいきがっていて、娘が生まれた5日目に、仕事だったんですけれど、旅に出て100日間くらい帰らなかったんです。
その話を何の気なしに話していたら、ある人に「あなたは、子どものいちばん可愛いときを見なかったんですね」と言われて、内心ショックを受けました。そうか、僕は娘のいちばん可愛いときを見逃したのか、と。
そのとき180度生き方を変えよう、子どもとともに生きよう、と決心しました。それまでは夜に原稿を書く生活で、完全に夜型人間でしたが、なるべく娘が起きた時間に起き、寝る時間に寝ようと決めました。
そして娘を寝かしつける前、せがまれて何かお話をするようになりました。娘がお題を言うんです。たとえば「ほうきのお話!」と言ったり「ながぐつ!」「りんご!」と言ったり。言われた言葉からイメージをふくらませて即席のお話を考えます。同時に、ああ、きょうは雨が降ったからながぐつをはいて母親とどこかに出かけたのかな、とか、おばあちゃんの家にいってほうきを見たのかな、とか、昼間離れて過ごしている娘の姿を想像するわけです。
娘が4歳になるくらいまで続けたでしょうか。お話をいちばんたくさん作ったのはたぶん2歳くらいの頃で、続けているうちにだんだん彼女が好きな話、気に入った話ができてきます。
「あのほうきのお話!」とリクエストされると、こちらは必死で思い出してリニューアルしていく。そうやって整えられた話がだんだん増え、最終的には何十個かになりました。『ホーキのララ』は、その中の一つです。
同じように『いろは いろいろ』も、娘を寝かしつけるためにやりとりする時間の中からできた絵本です。

ホーキのララ
ホーキのララの試し読みができます!
作:沢木 耕太郎
絵:貴納 大輔
出版社:講談社

サラのおともだちはホーキのララ。 「飛ぶならお飛び、飛ばなくてもお飛び。」 サラはララにまたがって、どうしても空を飛びたいと思いました。そして・・・・・・?

いろは いろいろ
いろは いろいろの試し読みができます!
作:沢木 耕太郎
絵:和田 誠
出版社:講談社

みずいろは どーれ? ちゃいろは どーれ? いろんないろを おぼえたら、 おかあさんと いっしょに 読んでみて。

───そんなに以前から沢木さんの中に生まれていた「お話のタネ」だったということですか? 

娘が幼いときだと考えると、もう20年以上前のことになりますね。妻がおもしろがってときどき録音していたので探せば当時していたお話のいくつかは、原型が残っているかもしれない。でも僕が特別書きとめたりしたことはなく、記憶の中に眠っていたものでした。
娘が少し大きくなってから、ほうきを持った女の子の絵を描いたことがありました。その絵を僕は大好きで、絵を見たときから、いつか、もっとちゃんと「ほうきを持った女の子の話」を書きたいなと思っていた。それが『ホーキのララ』になったんだと思います。

───娘さんの反応が出発点だったんですね。

母がよく自分にむかって「小さいときの表情や姿はよく思い出す」と言っていました。そんなものかなと思っていたのですが、この年になると本当にそれがよくわかる。小さい頃の娘のしぐさを鮮明に覚えていることに驚きます。
寝床で「これはなにいろ?」とたずねると、娘はあおむけに寝ながら片手をあげて「きいろー!」とか「オレンジー!」と声を張り上げるようにして答える。その片手をあげて答えるしぐさが、僕にはとても大事な風景になっている。かわいらしかったなあと思っているんです。

───娘さんがうらやましいです。一時期、息子にお風呂で「何かお話をして」とせがまれていたんですが、落ち込むくらいうまく作れなかったんです。
かつてお父さんがしてくれた「お話」が絵本になって、娘さんは喜んでいらっしゃるのではないですか。

いえいえ。あれだけ話したのに、本人は全く覚えていないそうですよ。「そんなこと言ったって、覚えてないもの」と、いたってクールな反応です。そんなものですよ(笑)。

───そうなんですか! もったいない・・・(笑)。
『いろは いろいろ』は、絵本を数多く描かれている和田誠さんが絵を描いていらっしゃいます。この本はとくに、絵と文章が一緒になってはじめて成り立つ内容だと思うのですが、構想はどこまで沢木さんが練ったんでしょうか。
以前に和田さんとはお仕事されたことはありましたか?

和田誠さんとは若い頃から飲み屋で一緒になることがあって知り合いでした。いつか一緒に仕事をしてくださいとお願いしていたんですが、ようやく実現したのが『いろは いろいろ』です。仕事をご一緒するのははじめてです。
絵本全体の構造は、僕の中にありました。「お母さんが子どもにいろをたずねて、子どもが答えていく。バラバラのいろの形が最後に集まると、家になる」と。そこから先は和田さんにゆだねたんですよ。
ただし、娘が「きいろー!」と答えていたしぐさの記憶の延長上に、この企画はありましたから、登場するのは女の子にしてほしいと和田さんには伝えていたんです。図形も、直線的なものばかりじゃなく、丸みのある曲線・・・円や楕円形があってもいいんじゃないかなと思っていた。
でも和田さんは打ち合わせのときから「これは男の子じゃないとバランスがわるい」「形はシャープなほうがいい」とおっしゃって、僕があえて女の子を描いてほしいと言っても、「うん、まぁね」というお返事で(笑)。

もういいや、和田さんにおまかせしようと思ったら、やっぱり男の子と直線的な図形の集まりになった(笑)。でも完成した絵本を見たら、あれっ、たしかにこっちのほうがいい、むしろこれしか考えられないじゃないか、と脱帽しました。すごいな、やっぱり和田さんはプロだなあと。
『いろは いろいろ』を開くと、絵本から子どもの声が聞こえてきそうな気がしますね。そこには自分の、幼い娘の声の記憶がかぶさってきます。うれしそうに単語1個を言う子どもの声が耳に残っているんです。

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沢木 耕太郎(さわきこうたろう)

  • 1947年、東京都生まれ。横浜国立大学卒業。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、93年『深夜特急 第三便』でJTB紀行文学大賞、2003年それまでの作家活動に対して菊池寛賞、06年 『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞。近著に、ノンフィクション作品『キャパの十字架』、児童書『月の少年』、絵本『わるいことがしたい!』『いろは いろいろ』、『ホーキのララ』などがある。

作品紹介

ホーキのララ
ホーキのララの試し読みができます!
作:沢木 耕太郎
絵:貴納 大輔
出版社:講談社
いろは いろいろ
いろは いろいろの試し読みができます!
作:沢木 耕太郎
絵:和田 誠
出版社:講談社
わるいことがしたい!
作:沢木 耕太郎
絵:ミスミヨシコ
出版社:講談社
月の少年
作:沢木 耕太郎
絵:浅野隆広
出版社:講談社
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