
「王子さま」と「王子さま」が出会って一目ぼれ! ふたりは幸せに「王さまと王さま」になりました・・・。
んんん? 絵本はいつも「王子さま」と「お姫さま」が出会うんじゃなかったっけ? いいえ、いつもそうだとは限らないみたいなのです。
あるところに、年をとった女王さまと若い王子さまとねこちゃんが住んでいました。年をとった女王さまは、もう長いことおつとめしていたのでそろそろ引退を考えていました。
「この地方の王子さまはもうみんな結婚しています。 それなのにあなたは!」 「結婚して王さまになりなさい!」
これまでいいお姫さまに出会ったことがなかった王子さま。夜にまで続いた女王さまの説得に負けて、とうとう世界中のお姫さまと会うことになりました。オーストラリアのお姫さまやグリーンランドのお姫さま、、いろいろなお姫さまが会いにきてくれました。みんなとてもユニークで素敵なお姫さまなのですがどうもしっくりきません。あきらめかけたそのとき、王子さまの胸がときめく人物と出会うのですが・・・。
いろいろな素材をふんだんに使った楽しい貼り絵と美しい色使いのリンダ・ハーンさんとスターン・ナイランドさんの絵本。オランダで生まれ、すでに世界では英語、ドイツ語、スペイン語など9言語に翻訳され世界で読まれているという、話題のLGBT絵本が日本でも発売されました! LGBTとは・・・? 最近ニュースなどで耳にすることも増えたこの略語は、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの性的マイノリティーのひとたちのことをさします。いろいろなひとたちのいろいろな形の愛があります。でも、それを知らなければ、特別視してなかなか理解をすることが難しいかもしれません。 子どもの心は柔軟で、ちいさいころに多様性をまなぶことで偏見や差別はへっていくと思います。絵本を手にした方は、あとがきにも目を通してくださいね。 いろいろな方の思いがつまったこの絵本が日本に紹介された経緯がわかります。
ひとを愛することは素敵なことだと思います。 少しずつでもいい、いろんなひとがいるってこと、ひととの違いを受け入れることができる優しい心がたくさん育ってくれることを応援したいです。
(富田直美 絵本ナビ編集部)

王子さまとお姫さまの物語でなく、王子さまと王子さまが結ばれるお話があっていい──。 LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)をテーマにした絵本です。
英語、ドイツ語、スペイン語、デンマーク語、チェコ語、ポーランド語など9言語に翻訳され、世界各国で読まれている、オランダ原作の『Koning & Koning』を日本語訳。
渋谷区同性パートナーシップ条例を皮切りに、LGBTへの関心が高まっているなか、日本にはLGBT関連の絵本は少ないのが現状です。 世の中には多様な性が存在することを、絵本で子どもたちに伝えたいという訳者からのメッセージ。 シンプルなストーリー、楽しい絵柄で、読み聞かせにもぜひ使ってもらいたい絵本です。

まず
この題材を、絵本にしたことに拍手を送りたい!!
はたして、対象年齢はどこを狙ってたのか
子どもが読んで理解できるのか
いろいろ突っ込みどころはあるけれど
もし、少数派の子どもが読んだら
「あぁ、それでもいいんだ」と思えるかもしれない。
少数派の人たちは
強者になりたいわけではないと思う。
ただ、少数派としてそこに存在したいだけで
主張して回りたいわけでもないと思う。
王子に王位を譲りたくて
結婚させるために王女様たちを集めた女王が
他国の王子をパートナーに決めた息子を
まったく拒否していないところが素敵!!
息子が息子であることは変わらない!!
愛する人のあるがままを
私も受け止めたいと思う。 (やこちんさん 50代・ママ 女の子16歳)
|