
「7ひきのこうさぎ みちをひょこひょこ みちをひょこひょこ」
ともだちのカエルに会いに、7ひきのこうさぎが列を成して出かけます。傘を持ったり、帽子を被ったり、うさぎのぬいぐるみを持ったり。みな思い思いの格好でおしゃれをしています。
さて、旅の途中、1ぴきのこうさぎがくたびれて、もぐらの家のベッドを借りました。ここでお昼寝するようです。残りの6ぴきが出かけていきますが、また1ぴきくたびれてもぐらの家へ。そこからまた1ぴき減り、2ひき減り……。誰かがくたびれるたびにもぐらの家に戻るので、なかなか前に進みません。「そろそろくるかな」とカエルもお待ちかねです。
「みちをひょこひょこ みちをひょこひょこ」と繰り返される軽やかな言葉たち。「のこりは……なんびき?」と数え歌にもなっています。訳は詩人で童話作家の岸田衿子さん。岸田さんの紡ぐリズムカルな文章は、声に出して読むとさらに心地よいでしょう。
挿絵は、『ちいさなもみのき』や『ルピナスさん』などを手がけた、コールデコット賞受賞作家のバーバラ・クーニー。のどかな雰囲気にぴったりの、穏やかでかわいらしいイラストが添えられています。こうさぎたちの洋服や持ち物、ページごとに変わる花をモチーフにした枠の飾り模様など、細かいところまでこだわりが感じられ、いつまでも眺めていたくなります。
残りのこうさぎを数えたり、次は誰がいなくなるだろう?と予想したり、いろんな楽しみ方のできる作品です。絵がたくさん語っているので、ページを行ったり来たりしながら、こうさぎたちののんびりした旅を隅々まで楽しんでください。きっといろんな発見がありますよ。
(出合聡美 絵本ナビライター)

ともだちの かえるに会いに、ひょこひょこでかけた7ひきのうさぎたち。ところが途中で道草したり、つかれたりで、1ぴきへり、2ひきへり…あれ? のこりは…なんびき? バーバラ・クーニーの絵と、リズミカルにくりかえされる岸田衿子さんの訳がたのしいかぞえうた風のおはなしを復刊いたします。

『SEVEN LITTLE RABBITS』が原題。
まあ、バーバラ・クーニーの作品で、訳が岸田衿子さん!
題名を見て、7という数字に反応してしまったのですが、
予想通り、数え歌風のおはなしです。
友だちのカエルに会いに、7匹のこうさぎが出かけるのですが、
途中で1匹ずつ、眠ってしまうという何とものどかな展開。
しかも、途中で見つけたモグラの地下室で休ませてもらうって、
その優しさにもほっこりです。
我慢強いカエルの様子にも感心感心。
そして、ついに・・・!
ずっと、残りは何匹?とあり、どのうさぎが寝入ったか探すのも楽しみどころでしょう。
昔話のように、歌のように繰り返される定型文が心地よいです。
あちこちに描かれた絵にもサブストーリー。
たくさんの花々も素敵です。
幼稚園児くらいから、こうさぎならではの展開に共感できると思います。 (レイラさん 50代・ママ )
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