「被爆樹木」は、爆心地から約2キロメートルの距離にあり、広島市が認定しているおよそ170本の木です。被爆体験を語る方々が高齢化し、少なくなってきているなか、いまも広島の街で生きつづける被爆樹木の存在が注目されつつあります。 2011年公開のドキュメンタリー映画「はだしのゲンが見たヒロシマ」を制作した著者は、映画をきっかけに、広島の被爆樹木のことを知りました。それから、3年近くの時間をかけて東京から広島へ通い、木に関わる人びとの話をきき続けています。被爆樹木を守る樹木医や、被爆証言と木の思い出を語る被爆者たち、原爆後の広島の樹木をスケッチして研究した当時の大学生、爆風や放射線の影響をしらべる研究者などのさまざまな証言から、被爆樹木と原爆について考えるノンフィクションです。 木についてのコラムや、巻末には被爆樹木マップも掲載しています。
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