「天の原ふりさけみれば春日なる御蓋の山にいでし月かも」
月の歌が百人一首に収録され、教科書でもひろくとりあげられている 阿倍仲麻呂の生涯をやさしく伝える画期的な伝記絵本です。
あたらしい国づくりをめざす奈良の都で、若くして遣唐使の一人にえらばれた阿倍仲麻呂。 命がけの船旅をのりこえ、唐のすべてを学ぼうと、役人となって夢中で仕事にはげみます。 そのまごころは、いつしか玄宗皇帝の心にとどき、念願の帰国の時をむかえますが……。
王維ら盛唐の詩人たちとも交流をふかめ、李白に「明月」とうたわれたその生涯を、 日本漫画家協会賞受賞作家が、やさしく情感ゆたかに描きだします。 巻末には、万葉文化論で注目され、著書『遣唐使阿倍仲麻呂の夢』で 歌の謎を読み解いた上野誠教授による、書きおろしの解説を収録。
うたいつがれる和歌と友好の歴史を、絵本でやさしく学べます。読みきかせにも最適です。
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