
ある日、知らない大人が家にやってきて、シッゲと母親を別々の場所に連れていきます。シッゲは里親に引き取られて成長していきます…。ネグレクトの問題や里親制度などとともに、子どもの心の動きを丁寧に伝える絵本。

軽い気持ちで手に取った本は、とても重量感がある本でした。
ひとりで遊んでいるシッゲと、寝たままでシッゲの世話をできない母親という構図が、にわかには理解できないほどにナイーブに描かれています。
母親は精神的にも肉体的にも、育児をする力を失っているのでしょうか。
突然現れる福祉関係者にシッゲは戸惑います。
肉親よりも他人の方が自分の面倒をみてくれることを、受け容れられません。
この絵本の中では、さりげなく様々なことが描かれています。
直接的な説明、解説をあえて抑えているのでしょうか。
理解するよりも感じとる絵本です。
スウェーデンの里親制度が描かれているようです。
シッゲのような子どもの生きるための支援のあり方を、他人事にしない考察がとても重要だと感じます。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
|