パパじゃない？

「パパ、どこ〜〜？」

迷子になっているのは、ライオンの子どもです。泣いちゃいそうです。

それを見ていた動物たちは、いそいでたてがみを作り、ライオンのパパのふりをして声をかけてみます。

「なかないで、パパだよ」

あれあれ、パパはこんなに鼻が長かったかな。首がこんなに長いのもパパじゃない。ウホウホッって言うのは……？

迷子の子をなんとか喜ばせそうと奮闘する動物たちと、泣きながらも元気にあてっこ遊びをするライオンの子どものやりとりが可笑しくて楽しいこの絵本。絵を描かれているのは大人気「はみがきれっしゃ」シリーズのくぼまちこさん。ちょっぴりおかしな動物たちの愛らしい姿が子どもたちの心をがっちりつかみます。

迷子のライオンの子が心配になってきた頃、ちゃーんとパパに会えるから大丈夫。みんなで読んでも盛り上がりそうな一冊ですよね。

（磯崎園子  絵本ナビ編集長）