一日が過ぎるのはあっというま……と大人たちは言うけれど。子どもにはそんな感覚ちっともわからない。すいちゃんの一日だってほら、こんなに長くて忙しい!?
「おはよう!」
4歳のすいちゃんの朝の始まりは、ソファーでジャンプ、階段遊び、朝ごはんにかくれんぼ。公園に行く途中だって、階段のぼりおり、アリンコにいい枝や葉っぱも発見。公園では鉄棒、シャボン玉、すべりだいに自転車、かけっこにロープウェイ。お買いものでも、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。
この大忙しのすいちゃんの行動がひと目でわかってしまうのがこの絵本。定点にカメラを置いてすいちゃんの行動を撮影し、それを1枚の写真におさめているのです。すると、部屋の中にも、公園にも、ベッドの上にもすいちゃんがたくさん! 言葉で説明するより先に、いかにすいちゃんが1つの場所でいろんなことをしているのかが直観的に伝わってきます。
このヘンテコでおもしろい絵本は、子どもの当事者視点とはどんなものかを真面目かつ楽しく研究している「こどもの視点ラボ」の研究の1つから生まれたのだそう。小さな子どもにはまだ時計の時間感覚はなく、身につくのは9〜10歳くらい。小さな子どもたちは、起こった出来事の多さで時間の長さを感じるからこそ、「子ども時間」というのが大人に比べていかに長いのかという事がわかります。
思わず誰もが共感してしまうのは、最後に登場する寝相のシーン。子どもの視点で子どもの時間を伝えるこの絵本。こんなにも豊かで充実した時間が流れているならば、大人だって一緒に楽しまない手はないですよね。子どもにとっても大人にとっても、「目からウロコ」な一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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こどもは大人の時間感覚でまったく動いてくれない。「保育園に遅刻しちゃうよ」と言っても朝食をだらだら食べているし、「電車が行っちゃうよ」と言ってもダンゴ虫を転がし続けている。公園やおもちゃ売場に行くと、そこらじゅうで親が「早くお昼ごはんを食べに行こう」「もう5時だよ。いいかげんに帰ろう」と、動かないこどもたちに説得を重ねて失敗している。不思議生物・こどもは、なぜこんなにも時間にルーズ(?)なのか。彼らはどんな時間を生きているのか? (こどもの視点ラボ・レポートNо.4より)
実は、小さなこどもは起こった出来事の多さで時間の長さを感じている。4歳のすいちゃんの1日にぴったり密着し、起こった出来事を定点観測した1冊。こどもの忙しくも豊かな時間をこの絵本で感じてみよう。
こどもの当事者視点を真面目かつ楽しく研究している「こども視点ラボ」による目からうろこの時間絵本。
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