いろいろな神様が働く、神様の国々。彼らの仕事は、生きものをつくることです。
サキミナイ国の天才ヤリースギ博士は、誰も見たことのない新しい生きものを次々と生み出します。対抗するのは、クーキヨメーナイ国の奇才ミエハリー博士。新しい生きものを作ることはできないけれど、サキミナイ国の生きものを食べちゃうような、びっくりする生きものを作り出すのが得意。2つの国はいがみ合っています。
ある日、ヤリースギ博士が、吸盤つきの8本足を持ち、口からスミをはく生きものを発表しました。すると黙っていられないミエハリー博士は、さっそく10本足で体の色を自由に変えられる生きもので応戦!相手に勝ちたい一心で白熱する開発競争は、いつしか街や国をめちゃくちゃにし、とうとう2人の博士では手がつけられなくなるのです……。
本来の目的を見失い、相手に勝つためだけに取り憑かれた発明競争の先に待つ結末には、人間社会における技術開発や兵器競争の未来への不安がふとよぎります。この大ピンチを救うのは、ほかの国で発明を担ってきたイッチ博士、ダン博士、ケツ博士。彼らがひそかに進めてきたこと、その頼もしい姿が、人が技術開発を推し進める意味と平和な世界を守るために大切なことを教えてくれます。
(竹原雅子 絵本ナビライター)
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