こぶたくんがお母さんと初めて作ったいちごのショートケーキ。とっても美味しく焼けたので、仲良しのたぬきくんにも食べてもらおうと持っていくことに。ひと切れお皿に乗せて、いざ出発。
「そうっと そうっと」
たぬきくんの家は赤いポストの角を右に曲がってすぐのはず。そこまでケーキが倒れないように……大丈夫かなあ。
それでも驚くほどの集中力を見せるこぶたくん。視線は鋭くケーキに注がれ、どんな道でもまっすぐまっすぐ進みます。坂をのぼったり、穴に落ちたり、橋を渡ったり。
「そうっと そうっと」
どんな困難もピンチもなんのその。妖怪バスとすれ違っても気がつきません。ふと気がつくともう夕暮れ。あれ? たぬきくんの家って、こんなに遠かったっけ? とたんにお腹が空いてきたこぶたくんは……。
大人気絵本『こんたのおつかい』のデビューから20年! 絵本作家・田中友佳子さんによる新たな絵本のキーワードは「そうっと そうっと」。大事なものをはこぶ子どもの集中力は、素直で健気で愛らしくて。まわりで起きているとんでもないことにも全く気が付かないほど。だからこそ、読者は絵を見ながら自分で読み解き、ハラハラワクワクしながら盛りあがってしまうのでしょう。
こぶたくんに共感しながら読むスリル、こぶたくんの見ていない景色を楽しむ喜び。ひとりで読んでも、みんなで読んでも楽しめる、ユーモアあふれるこの絵本。またまた多くの子どもたちに愛されそうな絵本の誕生ですね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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こぶたくんがはじめてやいたケーキ。
じょうずにできたので、
なかよしのたぬきくんにも
持っていくことにしました。
切り分けたケーキをお皿にのせると、
たおれそう…。
でも、たおさないように、集中して、
そうっと、そうっと歩いていきます。
ケーキに集中、そうっとそうっと…。
こぶたくんは、ケーキだけを見つめているから
まわりが見えません。
坂をのぼったり、穴におちたり、ピンチの連続ですが、
ケーキは無事。
そうっとそうっと歩いているこぶたくん。
妖怪バスとすれちがっても気がつきません。
でも、ふと気がつくともう夕暮れ、
おなかもぺこぺこです。
「このケーキ、たべちゃおうかな」
どうする、こぶたくん?
シンプルなテキスト、
主人公は気がつかないけれど、
まわりでおこっているできごとを読者が楽しむ、
ユーモアあふれる、絵をよむ絵本。
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