◎作家にとって体験は財産
著者も80代の半ばを過ぎた。持病のシェーングレンの症状も加わり、疲れやすくなっているが、日常は変わらず、書くこと、人に会うこと、旅行すること、お客をすること、料理をすること、介護すること、それに断捨離、捨てることを楽しんでいる。
◎常にベストセラーを出し続ける著者の日常とは?
著者の暮らしは決して淡々とはしていない。日常の普通の暮らしの中に起こるさまざまな問題、矛盾。そこに意味を見つけ、より建設的示唆に富む智恵は著者の真骨頂である。
◎夫の三浦朱門氏を見送った
2017年1月、朱門氏は24時間の介護を必要とする状況になった。著者の体力も限界に達していたある日朱門氏は「僕は間もなく死ぬよ」と言った。そして2月3日、朱門氏は、静かに旅立った。
著者は、「この月、私の意識の中から社会が霞んでいる」と述べている。そして、「家庭というものは、心と体を癒し、失敗も包んでくれ、寒ければ火を焚き、暑ければ汗をふいてくれる場所だと知ったのは、結婚してからであった。だから三浦朱門は私を、人並みな人間にしてくれたのである」最高のオマージュである。しかし、ここからも著者らしい日常が始まる。
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