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猟にやってきた男、遊んでいた女、不審な二人組…雪の降る季節に不吉な出来事がおこる場所とは? 表題作を含む12編収録。

『星新一YAセレクション8』(理論社)。
表題作である「不吉な地点」をはじめとして、12篇の「ショートショート」が収められた、YAすなわちヤングアダルト向けの児童書。
ちなみに、「ヤングアダルト」は子供と大人の間の世代を指す言葉で、13歳頃から19歳頃までの若者のことをいいます。
装幀・挿絵(それぞれの作品に挿絵がついています)は、和田誠さん。
「ヤングアダルト」向けとなっているだけあって、こんな作品も星さんは書いていたのかと少し驚いたのが、この巻に収められている「一家心中」。
部屋の中でやせた小柄な男が「もうだめだ」と嘆いている。そばで妻が「なんとかならないの」と聞く。しかし、男は死ぬつもり。しかも、妻も子供たちも一緒に。
男の仕事は宣伝に関すること、妻は言う。「宣伝をしただけなのに」。
夫婦の会話で進んでいく物語、一体この男は何者?
その答えは最後の一行でわかる。男はナチの宣伝大臣ゲッペルス。
ヒットラーの死後、そのあとを追うように妻と六人の子供らとともに一家心中したゲッペルスの最後のありさまを、たった数ページのショートショートで描いてみせる力量には驚くし、若い読者がこの作品をきっかけに歴史の事実をさぐってみるきっかけになるかもしれない。
この巻では「背中の音」や「逃亡の部屋」といった割と長めの作品もある。
長い分だけ、物語に二転三転ひねりが加わっている。
これらの作品も「ヤングアダルト」向けといえる。 (夏の雨さん 70代以上・パパ )
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