
私はどんな姿をしているんだろう。わからない。だったら別の世界を訪れることで、自分自身の本当の姿を知るしかない。だから「私を切り抜いて下さい。あなたの鋏で」。
読者みずからが実際にハサミを入れ、切り抜いて完成させるこれまでにない超絶の絵本。各ページにいる動物たちの点線部分を切り抜くと、見たこともないコラージュ作品が完成する……。

横尾忠則さんと穂村弘さん共犯の、人に対する挑戦状のような、トリッキーにしかけたワナのような本だと思います。
言葉を追い続けると、謎めいた世界に入り込んでしまいます。
絵を眺め続けていると、弄ばれているような気がしてきます。
点線のある絵を切り抜いたらどうなるのでしょう。
切り抜くというよりも、後にある絵をはめ込んで完成させて欲しいとでも言うのでしょうか。
後の絵を切ろうとすると、前のページの絵を壊してしまうので、出来かねるのですが、そんな狼狽を笑われているような気がしました。
意地悪な「絵本」です。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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