折れて短くなって捨てられた黄色いクレヨンが、一人で外の世界に出ていきました。自分が何か役に立つことがあるかもしれないと。早速、芝生に干されたぼうやの靴を見つけます。いつもごしごし洗われて色の消えそうなひよこを、クレヨンはせっせと塗ってあげました。ひよこはとてもきれいになりましたが、クレヨンはもっと短くなりました。次に、おもちゃの黄色い自動車を塗ってあげたクレヨンはさらに短くなりました。クレヨンが木の陰で休んでいると、一人の男の子がクレヨンを拾い…。
子どもになじみの深いクレヨンが主人公ということで、子どもはすぐに話に引き込まれました。小さなクレヨンが大きな冒険の果てに行き着いたところは。お話が終わってなお、子どもたちは絵に見入っていました。私も胸がいっぱいになりました。優しくて切ない、素敵な本です。