マーガレット・ワイズ・ブラウンは、42歳の若さで1952年に亡くなったのですが、実に100冊以上を世に残しています。
さらに凄いのは、70以上もの未出版の原稿が残されていたこと。
この作品もクレジットに彼女の姉妹、Roberta Brown Rauchの名前があり、1989年とあるので、生前に発刊されたものではないようです。
また、絵は、レナード・ワイスガード。
この黄金コンビでは、やはり「たいせつなこと」が鮮明に記憶に残っています。
原題は、「The Golden Birthday Book」
物語は、深い森の中で、いもむし、みつばち、りす、ぶた、うさぎが生まれたというくだりで始まります。
時は流れて1年後。
それぞれが、誕生日に一番欲しいものを貰うのですが、そのお話が淡々と綴られています。
お誕生日の喜びを、さり気なく描かれているのですが、何故か心に染み入りました。
プレゼントが立派な訳でもないし、話に特別な何かがある訳でもありません。
ただ、純粋に生きとし生けるものの誕生日を祝うことが、どんなに素晴らしいことか、誰もが感じられると思います。
ワイスガードの絵の美しさは、見る者を魅了するに違いなく、マーガレット・ワイズ・ブラウンの小気味良い文章との相乗で、実に読み聞かせに相応しい作品に仕上がっています。
ちょっと気になったのは、訳。
ぶたくんというのは、いのししではないかという気がします。