シリーズタイトルにある“ざんねんな”という表現について、面白く思われない方がいらっしゃるようですが、私は考え方としてもタイトルのつけ方としても、これ以上に秀逸なものはないと感じています。
それは、私たち読者の中に「なんでそうなったの?」という気持ちを湧き上がらせる、絶妙な切り口であると思うからです。
当塾ではネコを飼っていますが、なんでも自己完結でできてしまうネコたちのすばらしさ以上に、「なんで寝てばかりいるの?」「なんであんな格好で寝ているの?」「どうして足をピンと上げて毛づくろいするの?」「なんで毛玉はいちゃうの?」などと、人間から見て意外性のあるところ、少しばかり笑える本性に、こどもたちは興味をひかれます。そして、そういうところをこそ“愛らしい”と思うのです。
優れた部分を紹介して「なるほど」と感心させるよりも、進化の過程で残った部分ゆえきっと長所(?)なのであろう実態を、あえて人間目線で“ざんねん”なものとし示すことで、読み手から「いったい何で?」という関心を引き出す。
それこそが、この作品に携わった方々の思いなのではないかと思うのです。
一冊目も続編も、こどもたちの集まる場所に置けば、たちまち取り合い、読み合い、それで得た知識の披露し合いになる、大人気の作品です。
今回の第三作についても、彼らの期待が裏切られることはなさそうです。まずは私が独り占め。