おつきさまはきっと」 絵本紹介サイトの声

おつきさまはきっと 作:ケイト・バンクス
絵:ゲオルグ・ハレンスレーベン
訳:さくま ゆみこ
出版社:講談社 講談社の特集ページがあります!
税込価格:\1,760
発行日:2000年
ISBN:9784062619950
評価スコア 4.42
評価ランキング 12,836
みんなの声 総数 11
「おつきさまはきっと」は現在購入できません
  • この絵本のレビューを書く

立場で選ぶ

並び替え

1件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 次の10件 最後のページ
  • 月の光に照らされ、静かに見守られながら眠りにつく。…そんなテーマの絵本に出会うと、心の奥深いところから静かな安らぎが生まれてきます。不思議です。

    生きとし生けるものすべてを平等に照らし、あらゆる夜の営みを知り尽くしている月。今、女の子は子ども部屋にいて、そんな月の光を浴びながら、おやすみなさいのときをそっと待っています。
    人形に語りかけては、「今ごろ、お月さまはきっと…」と月に思いを馳せる。
    部屋の明かりがパチッとついて、お父さんがやって来たときも。
    そして、お父さんのあったかい膝で絵本を読んでもらいながら。

    こうして、女の子の居る部屋と、果てしなくどこまでも夜を照らす月とは、交互に描かれてゆきます。
    「今ごろ、お月さまはきっと…」
    林の小さな生きものたちを、明かりの灯った小さな窓のひとつひとつを、野原の焚き火を、きっときっと月は見守っている。眺めている絵本のお話の世界にまで女の子の心は静かに運ばれてゆきます。そこでも、月は穏やかに見つめている。広い砂漠で体を休めるお話の登場人物たちを…。

    まさにマティスとゴーギャンを合わせたようなタッチで描かれる絵。それは心地よい厚みがあり、色合いのあたたかさ、豊かさは、月に思いを馳せるたびに静かな安堵の思いに包まれてゆく女の子の、次第に満ち足りてゆく心に重なってゆきます。
    そして、お母さんがあごまでかけてくれる、ふかふかのお布団。あったかいお布団。…ほうら、安堵は心地よい重みとなって、やさしく、女の子のまぶたを閉じさせてしまう…。

    ドイツ生まれでパリ在住のハレンスレーベンが描くこの絵本、今までに出会った中でも飛び抜けて上等な、センスある「おやすみなさいの本」と言えるように思います。簡潔な訳文にも、絵とともに読み手の声も心も穏やかにしてくれる、奥ゆかしい魅力があります。
    お月さまは見ている。見守っている。きっと今頃、あなたのことも…。子どもたちはきっと、この女の子といっしょに、次第にやさしくその体重をかけてくる睡魔に心も体も預けてしまい、あなたの読む声の安らぎという魔法に静かにかかってゆくことでしょう。

    投稿日:2002/08/31

    参考になりました
    感謝
    0

1件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 次の10件 最後のページ

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

この作品にレビューを投稿された方は、こんな作品にも投稿しています

はらぺこあおむし / しろくまちゃんのほっとけーき / ぐりとぐら / おつきさまこんばんは / きんぎょがにげた / いないいないばあ / もこ もこもこ / ねないこ だれだ / がたん ごとん がたん ごとん / じゃあじゃあびりびり

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ



ねこねこ日本史シリーズ 累計190万部突破 日本一かわいくて学べる歴史マンガ

みんなの声(11人)

絵本の評価(4.42)

何歳のお子さんに読んだ?


全ページためしよみ
年齢別絵本セット