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作: うえだ しげこ  出版社: 大日本図書 大日本図書の特集ページがあります!
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なかなかよいと思う マジかよ?  投稿日:2002/09/17
きっとみんなよろこぶよ!
きっとみんなよろこぶよ! 作・絵: ピーター・スピア
訳: 松川 真弓

出版社: 評論社
夏休みといいますと、子どもたちってけっこうハッスルしてくれますね。時間にも心にもゆとりがあるせいでしょうか、けっこう頼むと何でも嫌がらずにやってくれたりします。でも、頼まれてからやるよりも、何も言われないうちに自分から気がついて、すすんでお手伝いするのってとっても気持ちがいい! 「あーら、よく気がつくこと!」って、にっこり言ってもらえるのを思い浮かべながらシゴトするときの気分ってば、もうサイコー!

しかし―――。

この絵本、開く前に深呼吸をお忘れなく。主婦という肩書きを持ってらっしゃる方ならば、きっと誰もがゾッとするに違いないですから。いや、そればかりでなく卒倒する御方も続出することでありましょう。
表紙からも、そして表紙裏からも、早くもイヤ〜な予感は漂っていました。でもまさか、「クリスマスだいすき」 「サーカス!」 「きつねのとうさんごちそうとった」 などの作者である、目の前にあるものすべてに細々とした愛情こもった観察眼を向けるこのスピアーが、こーんな恐ろしいものを描くとは思いもよらなかったのですよ……。いいですか? お気を確かに。
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自信を持っておすすめしたい 「光の魔術師」、ヨットを空に飛ばす  投稿日:2002/09/17
西風号の遭難
西風号の遭難 作・絵: クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳: 村上 春樹

出版社: 河出書房新社
その小さな漁村では、今でもこの不思議な光景を目にすることができます。海を見下ろせる高い丘の上に、なんとヨットの残骸が横たわっているのです。いったい誰がどうして、こんなところまで運んだのでしょう。……これはそのヨット・西風号にまつわる、自信過剰な尊大さがあだになったひとりの少年の奇妙な体験のお話です。ええ、誰も信じちゃくれないのですが、これは本当にあったこと……。

光の魔術師・オールズバーグ。今回もこのひとの絵筆の放つ光は不思議。このストーリーの風変わりな展開を盛り上げるかのように、どことなく「ありえない」雰囲気の、幾分突き放したような感じのする光です。そこには「急行『北極号』」にみられた暖かさとはまったく違ったものがあります。空の色も、海の輝きも、どこか狐につままれたような、異次元の色合いと明るさ…。こうして彼の絵によって、わたしたちは今回のお話も現実のものなのか、本当に狐に化かされているのか、わけがわからなくなってしまう…。
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自信を持っておすすめしたい 夢見る力、赤毛のアンにも負けません  投稿日:2002/09/17
まあちゃんのながいかみ
まあちゃんのながいかみ 作・絵: たかどの ほうこ
出版社: 福音館書店
夏の午後、3人のマドモアゼルがお庭に出したテーブルを囲んでおしゃれにお茶会。ふたりは長い髪が自慢なんですが、残るまあちゃんはおかっぱさん。「あたしなんかね、もっと ずっと のばすんだから!」

さて、興に乗ったまあちゃん、長く長くどこまでも長く伸ばした髪でどうするか、魅力たっぷりに話してみせるんです。橋の上からおさげをたらして魚釣り。庭の木におさげの端っこを結んで、お洗濯を干しちゃうの! シャンプーすれば、雲まで届くソフトクリームみたいになるのよ! それからそれから……!

ああもうその想像力の見事なことといったら、ほかのふたりの少女たちも、情景を思い浮かべてはうっとりとしてしまうのでした。現実の世界をグレーで描き、空想の世界をカラーで生き生き夢いっぱいに描くあたりがしゃれていてなかなかのアイディア。こんなすてきな夢見る力、赤毛のアンにも負けていません。
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自信を持っておすすめしたい 「光の魔術師」が描くクリスマス  投稿日:2002/09/16
急行「北極号」
急行「北極号」 作・絵: クリス・ヴァン・オールズバーグ
訳: 村上 春樹

出版社: あすなろ書房
小さかった頃の記憶をたどってゆくと、どうやらわたしは初めからサンタは架空の人物として教えられていたように思います。
大好きだったアニメの主人公の魔法使いの少女は、片手をパチンと鳴らすだけで、簡単にサンタクロースとトナカイを空に飛ばせてしまいましたし、またあるアニメでは、最初から「サンタはいない」という前提のもとに、クリスマス放送分のお話を作っていました。…が、それらを見ても、すんなりと受け入れてしまい、疑問にも思わなかったのでした。

それでも子どもらしく、「いたらいいな」と思い続けていたらしいのですが、たしかあれは幼稚園のころ。
家にあった、父の古い歌本を見つけてぱらぱらと眺めていたわたしは、その中に「ママがサンタにキッスした」の歌詞を見つけました。そして、歌詞を読みながら、すべてを悟ってしまったのでした。

しかし。
しかし、です。子どもの「信じる力」、そして「願う力」というものには、おとなの想像を超えるものがあります。
そうやってサンタの真実を知ってしまってからも、なお、わたしはその存在が事実であることを願っていました。
イブの夜はいつもより早めにベッドに入り、静かに外の気配に耳を澄ませていました。
何も聞こえなくたって、よかったのです。期待をすることが、楽しかった。
それだけでこんなにどきどき、うきうきするのだから、もし、万が一、サンタの気配がしたら、どんなにかすばらしいことだろう…そんな気持ちでした。

息をひそめて外の気配に耳を澄ましていたあのころ。
少年「ぼく」の姿に、わたしはいつのまにか自分の子ども時代を重ね合わせてしまいました。
どの子も、きっと信じる気持ちは同じ。願う気持ちも同じ。
だから、いろいろなものが見えるのです。いろいろなものが聞こえてくるのです。
少年の耳にはサンタの橇の鈴の音の代わりに「北極号」のしゅうしゅう言う蒸気の音が聞こえ、バレエが上手になりたいと朝な夕な山に星に願う女の子には、山の靴屋がバレエシューズをプレゼントしてくれる(安房直子「うさぎのくれたバレエシューズ」)。

テニスンの詩のように、「五感をあたため」、自然と、そして目に見えないすべての気配と、折り合いよくやっている子どもには、願いを叶える、言葉では説明のできない不思議な力が宿っているんじゃないかと思われてしまいます。
ひとことで言い表せるとすれば、「心の豊かさ」とでもなるのでしょうか。
純粋な。
何ぴとにも汚すことのできない、絶対的な力を秘めた豊かさ。

子どもにとって、その「力」を抱き続けることはとても簡単なことなのに、ある時ふと気づと、その力が失せてしまっているのは、いったいどうしたことでしょう。人によっては、力が失せてしまったことに気づかずに過ごしてしまう場合さえあるのです。
これが「おとなになること」?
いえいえ、そんなふうに決めつけてしまいたくはありません。
実際、わたしの知り合いの中には、50歳を過ぎてもちゃあんと鈴の音が聞こえているひとがいます。
要は、いつでもゆったりと構えて信念を貫き通すことなのかもしれません。
願えば、「力」は維持できるのです。そして、信じていれば。

急行「北極号」は、「力」に満ちた子どもたちを乗せて、北極点へと向かいます。そしてそこで、選ばれたひとりの子どもが、サンタクロースから「クリスマスプレゼントの第一号」を手渡されるのです。選ばれた子ども…「ぼく」が希望したプレゼントは、サンタの橇についている銀の鈴でした。
パステルで描かれた幻想的な光景。北極号の窓から、建物の窓から、そして月夜の山肌から放たれる、神秘的な光の描写。
あなたにも、鈴の音が聞こえるでしょうか。
だれであっても、いくつになっても、信じていれば、きっと、聞こえますとも。
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自信を持っておすすめしたい 少女だけに見える、大きいふんわりくまさん  投稿日:2002/09/16
THE BEAR くまさん
THE BEAR くまさん 作・絵: レイモンド・ブリッグズ
訳: 角野 栄子

出版社: 小学館
あたしの部屋にね、くまさんがいるの。くまさんが来たの。大きいけど、おとなしいの。とってもとっても静かでね、白くって大きなゴーストみたいよ…。「へえ、ほんとかい? やさしいくまさんだったかい?」 ええ、もちろんそうよ、あたしとなかよしになりたいって! それでねえ、あたしをやさしく抱っこしてくれるの。お布団よりふわふわな抱っこなのよ。「おや、パパの抱っこよりいいのかい?」 だってパパはくまさんみたいにふわふわじゃないもん。でもパパもすてきよ、パパも大好き。「よしよし、でもくまさんにはかなわないな。」

…ティリーの部屋に、ある晩突然やって来たくまさん。こんなに大きくていい匂いがしてふわふわなのに、ティリーにしか見えないようです。いくつもにコマ割りされた色鉛筆の優しい筆致の絵が、ティリーのくまさんへの想いをふんわりと物語ります。そして、少々戸惑いながらも、そんな彼女と一緒にくまさんの姿を共有しようとする両親たちの姿がまたすてき。この両親たちのような目で子どもを見守れるおとなでいたいものだと、切に願います。読み聞かせをすれば子どもたちと一緒にあたたかな夢の時間を過ごせる、ユーモラスでありながらもちょっぴりせつなさの残る一冊です。
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なかなかよいと思う いつでも歌といっしょに  投稿日:2002/09/16
うたえほん
うたえほん 絵: つちだ よしはる
出版社: グランまま社
娘を寝かしつける際には、歌を歌ってあげました。生後3日目に母子同室になったときからの日課でした。
あのときは本当に困ったのです。
6人部屋だというのに、娘は消灯時間が過ぎても泣きぐずり続けるし。仕方がないから、抱っこして廊下に出たのです。暗い廊下を突き当たりまで歩いて病室が集まる場所から離れ、顔をのぞき込みながら、小さな小さな声で歌ってみたのでした。

思わず口をついて出たのは「シューベルトの子守歌」でした。
娘は不思議そうにこちらを見ています。
つづいて「カナリヤ」。そして「ゆりかごのうた」。
歌詞の中身なんか気にしている場合ではなかったのです。ただただ頭に浮かぶメロディーを口ずさんでいました。
歌っている間はじっとこちらを見つめて、ぐずりやんでくれる。
ああ歌って不思議だな、我が子に歌をうたってあげられるのはいいものだな、としみじみ思ったものでした。
あなたの18番は何ですか?

ベビーカーでおでかけするとき。抱っこしておでかけするとき。
おでかけのときにも、黙々と歩くだなんてもったいなく思われたので、いつも何か口ずさんでいました。バックミュージックがあったほうが、赤ちゃんだって自分自身だって楽しいですものね。秋は「まっかな秋」。冬は「山のこもりうた」。早春の頃は「どこかで春が」。…
けれども、童謡って、メロディーは覚えていても、歌詞がうろ覚えになっているものばかり。
そこで最初に購入したのが、この「うたえほん」でした。

挿し絵の明るい色調。ふっくらとあたたかみあるかわいらしい動物たち。
大きすぎないサイズ。そして、どの曲にも楽譜がついているという親切さ!
「ゆりかごのうた」に始まって、「おはなしゆびさん」 「かわいいかくれんぼ」 「むしのこえ」…わたしたちが幼稚園の頃までになじんだ、懐かしくて楽しい歌が26曲掲載されています。
童謡の歌詞というものは、あらためてこれだけ読んでみると、なんとうつくしく、叙情的で、味わいのあるものなんでしょう。
「詩の本」としても大切に持っていたい一冊だなあと思われてきました。
参考になりました。 1人

なかなかよいと思う 小人トムテに見守られて  投稿日:2002/09/13
トムテ
トムテ 作: リードベリ
絵: ウィーベリ
訳: 山内 清子

出版社: 偕成社
北欧には、家を守って幸せをもたらすという小人の言い伝えがあります。訳者の「あとがき」によれば、ノルウェーやデンマークではその小人のことを「ニッセ」と呼び、スウェーデンでは「トムテ」と呼ぶそうです。

トムテを大事にすれば、トムテのほうでもその家のために夜番をしたり、仕事がうまくはかどる手助けをしてくれるとのこと。それで、クリスマス・イブには、トムテの分のおかゆを器に入れて、納屋や仕事場に出しておくのだそうです。
そんなトムテをたたえる気持ち、やさしい思いを、命のはじまりと終わりの不思議をからめて詩にしたのが、この作品です。

トムテは夜番をしながら、何百年も生き続けています。ですから、農場の家族たちの何代も前の人々のことだってよく知っています。彼らはいつの時代でもトムテによくしてあげ、トムテも愛情こもったまなざしで家族みんなを見守り続け、農場に息づくすべてのちいさな命をも大切に見つめてきたのでした。

見つめ続けてきた大切な命。……それが、どこからやって来て、いったいどこへ消えてしまうのか…。そしてこの際限なく広がる宇宙はどこから始まって、どこが終わりなのか…。そんな疑問を抱かずにはいられないくらいに不思議な、生と死、自然の力のもたらす繰り返しのリズム。たったひとり眠らずに夜回りしつつ、一生懸命思いを馳せるトムテの姿。
その解けることのない疑問の神秘さに、深いエメラルドグリーンの夜の雪景色が醸し出すしんと静まった幻想的な空気が重なってゆき、こうしてまたトムテのおかげで質素ながらも幸せに包まれた一家の歴史は刻まれ続けるのです。
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自信を持っておすすめしたい 小さい女の子セシとメキシコのクリスマス  投稿日:2002/09/13
クリスマスまであと九日−セシのポサダの日
クリスマスまであと九日−セシのポサダの日 作: マリー・ホール・エッツ アウロラ・ラバスティダ
訳: たなべいすず

出版社: 冨山房
この絵本が出版されたのは、まだアメリカ人の中にメキシコの人々への偏見が根強くある頃。ですから、エッツとメキシコ人・ラバスティダによるこの絵本は、メキシコの日常生活を広く伝える意図が含まれていたということです。なるほど、この絵本は、メキシコの人々がどんなものを食べ、住まいの中はこんなふうで、町中の様子はあんなふうで……と、生き生き写実的な描かれ方をしており、たいへん興味深いものになっています。

幼稚園に通う小さな女の子セシは、今年はじめて自分が主役のポサダをしてもらえるというので大はしゃぎ。ポサダというのは、クリスマスの前の9日間、毎晩どこかの家で開かれるパーティーのこと。インディオの文化とスペインの文化とが混じり合ったカトリックの国メキシコならではの、独特のクリスマスの行事なのです。

そして、そのポサダのメイン・イベントとなるのが、「ピニャータ割り」。ピニャータというのは、壷に紙を貼りつけて作った、つまりが張り子の人形のことです。
クリスマスが近づくと、いろんな形をしたピニャータが市場で売られます。ポサダのときには、ピニャータの中心に埋め込まれている壷の中にお菓子や果物をたくさん詰め込んで、これを庭にぶら下げます。そして、ポサダのクライマックス、目隠しをされた子どもたちが、スイカ割りみたいに棒を持ち、交替でピニャータを割るのです。ピニャータに棒が命中し、壷が割られると、子どもたちはわれ先にと中から落ちてきたお楽しみのお菓子を拾う…というものです。

ポサダの日を指折り数えて待つ小さなセシ。そして、このたった一つの自分のピニャータを買い求めるときのセシの気持ちの描写がすばらしいのです。ピニャータを売る市場の一角の前で、たくさんぶら下げられて揺れているピニャータたちにじっと眺めいるセシ。まわりの音は一切消え、セシにはピニャータたちのおしゃべりが聞こえてきます。「わたしにして!」 「あたしを選んでよ!」 ……あこがれのピニャータの前でかわいらしい自分だけの世界に浸り、ピニャータたちの声に耳を傾けるセシの姿の、なんと愛らしいことなんでしょう。そして、自分の名を呼ぶお母さんの声ではっと我に返り、再び市場の人々のにぎやかな声や音が聞こえてくる・・・・。

ほかにも、小さい女の子の気持ちを描いて共感を呼ぶ場面がたくさん出てきます。公園の冷たい水の上に浮かんでいたアヒルの気持ちを知りたくて、自宅のおふろに水を張って飛び込んでみるセシ。こちらまで「キャッ!」と声を上げたくなるほど、彼女が味わったと同じ冷たさが伝わってしまう!
ちょっとだけ、小さい赤ちゃんを抱っこさせてもらうときの、おねえさんっぽい優しげなまなざし。いとおしむような、おしゃまな手つき。肩に入った力の、緊張と優しさからくる微妙な感じまでもが読み取れてしまうほど、エッツの目は細やかです。
それから、首がぐらぐら動くお人形のガビナを抱いて一生懸命話しかけるときの様子もとてもとても愛らしくて、セシはエッツのよく知った実在の女の子をそのまま描写したのではないかと思われてしまうほど、なにもかもが実に生き生きとしているのです。

さて、いよいよ待ちに待ったポサダの日。古くから伝わる衣装を着飾って、行列の先頭を進むセシですが、いざピニャータ割りが始まると……。割られたくないんです。割りたくないんです。セシのピニャータ。大きな金色の星の形をした、セシの選んだピニャータ…。セシは木の陰に立って、手で顔を覆っています。「みんなに、あたしのピニャータを割らせないで!」

セシの願いも空しく、星のピニャータは割られてしまうのですが、そのときセシの耳にはささやく呼び声が聞こえてきます。「セシ! セシ!」 …見上げれば、セシが隠れていた木の上に、ひときわ輝く星が…。
最後の最後まで、エッツの目は優しい。セシの内面も、お母さんとのやりとりも、お手伝いさんとのやりとりも、誇張も何もなくて、さもありなんと思わせる自然さで描かれているのがとても好印象です。そして、どのページもグレー一色で繰り広げられる中に、黄色とオレンジ、赤、ピンクだけが与えられている点も、メキシコらしさがたちのぼり、とても効いています。
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自信を持っておすすめしたい 古風で素朴でかわいらしい「まりーちゃん」  投稿日:2002/09/13
まりーちゃんのくりすます
まりーちゃんのくりすます 作・絵: フランソワーズ
訳: 与田 凖一

出版社: 岩波書店
小さい子どもの頃に出会っていればなあ…と思う本に出会うことがたまにあります。そうだなあ、「物心ついた頃」という言葉がありますけれども、「物心つかないうちに」出会いたかった、そんなふうに思える本に。
この「まりーちゃん」のシリーズは、まさにそんな絵本でした。きれいな色彩の素朴な絵は、ふんわりやさしくて少々古風な感じです。けれどもこのまりーちゃん、それから彼女の仲良しの白い羊「ぱたぽん」(弾むような、なんて楽しい響きの名前なんでしょう。こんなふうに訳された与田準一さんはすてき!)の考えることやらかすことのかわいらしさは、今の子どもにも共感できて、何十年経っても色あせない力を持っていると思います。

「まりーちゃんとひつじ」でも、この「まりーちゃんとくりすます」でも、まりーちゃんは実にいろいろな子どもらしい空想を展開します。どんどん広がってゆくその小さい女の子らしい夢が、実に子どもらしくてほほえましい! 今年はサンタクロースは自分の木靴に一体何を入れてくれるかしらとあれこれ思いを馳せるまりーちゃん、自分には靴がないようと嘆くぱたぽんのために、小さな木靴を用意してあげました。そして、クリスマスの朝…。

「クリスマス! クリスマス! クリスマス!」 と躍るように鳴り響くぱたぽんのベルの、なんと愛らしいことでしょう。
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自信を持っておすすめしたい 月のいい晩、そぞろ歩いて耳すまそうよ  投稿日:2002/09/13
むぎばたけ
むぎばたけ 作: アリスン・アトリー
絵: 片山健
訳: 矢川 澄子

出版社: 福音館書店
アトリーはイギリスのひと。彼女の作品は古い農場で過ごした少女時代の体験がもとになっています。「グレイラビット」のシリーズの作者、と言えばご存知のかたもいらっしゃるでしょう。
あたたかい、かぐわしい夏のゆうべ。森かげではナイチンゲールがなやましげに鳴いています。月と星たちに見守られている麦畑は美しく輝き、夜風にそよぐさまはまるでひそひそとささやきあっている幾千幾万の声のようです。…なんとほっとする、そして豊かな歌なのでしょう。

片山健さんの水彩画の筆づかいが、うっとりするほど流麗に麦たちの歌を描ききっています。文章がなく、見開きいっぱいに波打つ麦の穂が描かれるページなどはため息ものです。そぞろ歩きをたのしむ小さな3匹の動物たちにとっては、まさに海のひびきのようであったことでしょう。
さあ、いい月がのぼった晩、あなたも外へ出て、じっと耳を澄ましてみませんか。青白い銀のシーツをかぶせられたようにほの光る景色の中、あなたには何の音が聞こえてくるでしょうか。
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