おひさまが隠れてしまい、寒くて暗い町。
「それなら、おひさまあじのとくべつパンを焼きましょう。」とここのパンやさんが、作り始める。
パンの焼けるいいにおいにつられて、町の動物達が集まってくる。
パンを口にすると、体の中が夏になるよう。
みんな自分達が輝きだした気がした。そして、空に上りはじめ、踊ったり、歌ったり。
すると、おひさまも目を覚ました。
みんながおひさまパンをちぎって投げると、おひさまはそれをみんな食べた。そして、光を返してよこす。雪は解け、町の色が戻ってきた。
いまでも曇って灰色の暗く凍てついた日は、みんなでおひさまパンを作るんだって。
コラージュといわれる手法で書かれた絵は、とても緻密で素敵です。大きくて、暖かなおひさまの顔がなんとも言えず、大好きです。
パンの焼ける香ばしい匂いやおひさまの暖かな光がこちらまで伝わってくるような絵本です。