子どものために、わざわざ遠くの図書館まで行って借りてきた本でしたが、私のほうが夢中になってしまいました。本を読んで、こんなに軽やかな気分になったのは、初めてです。まさに、今の自分が必要としていた本と出会えた!という感じです。「もういいトシだから・・・」とか、「なんだか疲れて・・・」なんて、言っている場合ではありませんね。自分を老いさせるのも、何かを不可能にするのも、すべては自分自身の心なのかもしれません。
おばあさんは、誕生日のケーキにろうそくを5本立てただけで、翌朝から本当に気持ちまで5歳になりました。そして、94年ぶりに川を飛び越えたおばあさんは、「5さいって なんだか とりみたい」・・・「おばあさんは とびました。おばあさんは とびました。」と声に出して読んでいるうちに、まるでオリンピックの金メダルを獲得した瞬間の実況中継をしているような気分になり、自分の心にも羽が生えたように思えてくるのです。いつか空を飛べる日を夢見ている娘も、このページが大好き。「おばあさん、なんでこんなに高くジャンプできるの?」と、うらやましそうに見つめています。
「ねえ、わたし どうして まえから 5さいにならなかったのかしら。」というおばあさんの問いに、深く頷いてしまった私ですが、99歳のおばあさんでも、決して遅すぎることはなかったのですから、私も明日から、「だって わたしは 5さいだもの。あらそうね!5さいだから わたしも とぶわ」という気持ちで、娘といっしょに思いっきり跳んでみたいな、と思います。