放送中の朝ドラ「あんぱん」とリンクして、やなせたかしを知るうえで、とてもありがたい本です。
ドラマはフィクションですが、この本を読むといかに事実と寄り添っているかに感心させられました。
自分としてのやなせたかしは、「詩とメルヘン」の編集長であり、多くの絵本作家、児童文学者を育てた人のイメージが強く、次に「チリンのすず」のような絵本や詩画集の作家であり、「アンパンマン」は、どうしても後付けになってしまいます。
テレビアニメを観ていたわけでもなく、東日本大震災の時に印象づけられたような後進者ですが、この本でわかったような気がします。
「アンパンマン」は、幼児たちが掘り起こしてくれた作品だったのですね。
この本に登場する、戦後日本を代表するような文化人との接点には驚きました。
やなせたかしは、多くの人に認められ、育てられた人だったのです。
それだけに、自身の生い立ちの寂しさに裏打ちされた、生き方、考え方には、学ぶところも勇気づけられるところも満載です。
この本が児童書の中に紛れていても、やなせたかしという歴史の立役者の作品群への導入であったり、読み聞かせする大人の心持ちだったりを喚起するためのベストポジションだと感じました。