絵本と呼ぶには少し躊躇のある「絵本」です。
さとこ虫さんの挿絵のような絵が、女鉱夫として生きてきたタカさんの肉声を、素描のように描き連ねています。
この絵本で、女性も炭坑夫として働いていた時代があったことを再認識しました。
昔の炭坑夫ですから、生身の肉体で過酷な労働条件の中を生きてきたのです。
タカさんは当てにならない夫がありました。
それに抗う代わりに、家庭では主となる働き手だったようです。
子も次々に生まれ育て、臨月でさえ炭坑に入ったというのはどんな状況でしょうか。
それでも、タカさんは前に進み続けたのです。
立ち止まったら、後を向いたら、人生に負けてしまうという、生きるための覚悟には、凄まじいものを感じます。
この境遇を肯定することはできませんが、すべてを受け止めて前へ突き進むという渾身に、生きることへの執念を感じさせられたことだけは事実です。