読む人によって感想の変わってくる絵本かもしれません。
ある一軒の家の百年を淡々と重厚なイラストで描ききっています。
そこで営まれる百年のあいだの人々の生活。人生。家族の歴史。時代の変遷。
結婚式があり、赤ちゃんが生まれ、畑を耕し、木を植える。家が増築される。人も家もしあわせな時代。
家族が亡くなり葬式。戦争の波に翻弄されるつらい時代。
無人になった家は荒れ果て、森の一部へと還っていくのか・・・。
さいごはまたきれいに手直しされて、ぬくもりのある、しあわせな家に戻ります。
じんわり、じんわり、感じるものがあります。
生の儚さ、ひとびとの懸命に生きる姿。
大人になるほどにそういったことをこの絵本から読み取ってしまうのでしょう。
ほろり、ほろり。
7歳の息子はというと、これはこれで子供なりにとてもこの本を楽しみました。
「井戸ができてるよ・・!あっ、ここの部分がお部屋増えたね!」と、
主に家や土地の小さな変化を見つけるのがかなり楽しかったようです。
この絵本好き、と云ってました。
親子で異なる読み方のできた一冊でした。
とてもいい絵本です。