1976年、アメリカで発行された子ども向けの経済の絵本。入門編。レモネードの屋台で起きる様々な出来事を通して、個人商店の仕組み、労働の仕組みなどを解説。
洒脱なイラストはやや色気があり、登場人物が殆ど子どもなのにもかかわらず、妙に大人っぽい。短い文章の中に、大事な事をしっかり印象付けるべく、日本語も雰囲気が出る素敵な言葉を使っていて、唸ってしまう。
経済学や商売に関して、苦手意識があり、子ども向けの本ならどうにか理解できるだろうと思って図書館から借りてきた絵本。アメリカでは子どもがレモネードの屋台でお金を稼ぐのはごく一般的なのだろうか。みんな限られたお小遣いをどうにかやりくりして欲しいものを手に入れたり、野球をやったりして人生を思う存分楽しんでいるようだ。
ビル・バッソ氏の絵が洒脱で、大人びていて、色気があり、こじゃれたジョークを言いそうな、生意気盛りな子どもを見事に描いている。70年代の雰囲気を感じる小物やファッションなど、みどころがいろいろあるので、肝心の経済がわからなかったとしても、読む価値がある絵本だ。
主人公の女子はなかなかのやり手で、最終的にはそこそこの成功を収め、バカンスを楽しんでいる。休暇中も休みつつも商売をして儲ける工夫をしている。やはり稼ぐ人は違う。こんな風に積極的に明るく元気に行きぬきたい。