私が子どもの頃にあった本当の話が、こんな形で絵本になっているとは知りませんでした。
米軍機が墜落し、二人の男の子は死んでしまいますが、お母さんはそれを知らされることもなく、つらい皮膚移植をがんばってがんばって耐えて、子どもをもう一度抱きしめる日を夢見ている・・・。そのことは当時、私も幼いなりにもニュースを見て知っていました。その子どものなくなっていく様子などが、本では細かに描写されています。しかし、とてもいい内容なのに、ちょっと反戦や米軍憎し的な感情が先にたった文章で、かえって作者の伝えたいことが伝わりにくくなっている気もします。もう少し、冷静に、より中立的な立場で淡々と語られたら、もっと泣けたかも・・・。
そして、この本は、お母さんの回復に希望を持って・・・・という感じで締めくくられていますが、現実には、子どもの死を知らされ、精神的に不安定になり、離婚もし、精神病院で亡くなったそうです。
子を持つ親になって、こういう話は胸がつまりますね。