持ち主の男の子の仕打ちに堪え兼ねて、3匹の動物のぬいぐるみたちが家出してしまいます。
こんなことされたんだよ、ひどいよな!と口々に言い合う動物たち。
うんうん、子供なら悪気も無くそういうことしちゃうよね・・・とすぐに情景が浮かぶような会話。
だけど段々、今まで男の子の成長を側で見守ってきたことや、どこへでも一緒に連れて行ってもらったことを思い出して・・・。
相手への不満が募ると、その人の悪いところしか見られなくなっていってしまいますが、
そういうときこそ落ち着いて、その人がいないとできなかったこと、その人といて幸せだったことを
再認識する良い機会なのかもしれません。
お互いの存在に甘えすぎるのもいけない、という教訓もあるでしょうか。
僕たちが街を歩いていたら人間がびっくりするよ、などと妙に現実的な設定や、
動物であることの特徴を生かした表現の数々で、
非現実的な物語であるにも関わらず、自然と絵本内の世界に引き込まれていきます。
絵本という形ですが、長年連れ添った夫婦やカップルが、喧嘩したときに読むといいかも、なんて思いました。
優しいタッチで描かれる動物たちの、微妙な表情にも胸がキュッとなりますよ。