店内いっぱいに響くジャズの音楽と、酒の匂いと男たちの汗の匂い。
LPのジャケットのような絵をつなぎ合わせたストーリー。
こんな苦み走った絵本があったのですね。
特定の大人受けするような絵本が、児童書の中にある不思議さを感じました。
ジャズトランペットにあこがれるベンが、トランぺッターに誘われてトランペットを習うまでの話。
少年の憧れを描くところは、子供向けなのかもしれないのですが、読み聞かせしてもついいてくる子どもは期待できない絵本です。
それだからこそ、存在感たっぷり。
白黒だけで描かれた絵のリズム感、ザラツキ感、鋭さ、どれをとっても反絵本的でありながら、私のメーターは思い切り振りきれてしまいました。
マイルスのトランペットを聴きながら、バーボンでも飲みながら…男の世界に入り込める絵本だと思います。
アッ、水割りはNGです。