「スプラッシュ」という、聞き慣れない言葉でリズムを刻んだ渡辺茂男さんの功績の大きな絵本だと思います。
雨粒が弾ける様子は描かれていないからです。
ワイスガードさんの絵は重厚です。
雨粒の小さなひとつぶよりも、それを受けとめる世界をずっしりと描いています。
その基になったトゥレッセルトさんの視点も面白いと思いました。
降った雨が、集まって川になり、流れて海になるという構図は、他にも絵本はあるけれど、ユニークさがあります。
河口で描かれた、川底の下を通る地下鉄というスケルトン、そんな場所で川に飛びこむ子どもたちがいるという意外感で、この絵本がとても印象づけられました。
関わった三者三様のすてきな共作絵本だと思います。