いわしくんは、とても可哀相だ。
いつもと変わらず、広い海でのびのびと泳いで人生を謳歌していたのに、ある日突然、人間に釣られ、自由を奪われてしまう。
そして・・・巡り巡ってある男の子にパクリと食べられてしまうのだ。
なんとも悲しい人生、いや魚生ではないか。
でも、読んでいくと・・・あらあら、男の子泳いでいるよ。
と、いうことは食べられたいわしくんは、男の子の身体を借りて自由に再び泳いでいるともとれるよね。
なんだか、見方を変えると、この世はとても不思議な物に見えてくる。
食物連鎖について考えたり、感謝して戴く食べ物は、残さず食べたくなってくる。
だって、お皿の上のお魚を残してしまったら、お魚は再び泳ぐチャンスを失ってしまうのだ。
この絵本、学校でプールの授業がある朝に読んだ。
前の日にお魚を食べてきた子供が、半分くらいいたけれど、このお話のせいでいつもより上手に泳げた気分になってくれたら嬉しいな。
お腹の中のお魚もきっと喜んでくれたであろう。