4月から始まったNHKの「連続テレビ小説」(通称 朝ドラ)は、
漫画家やなせたかしさんとその妻暢(のぶ)さんをモデルとした「あんぱん」で、
その影響があって書店ではやなせたかしさん関連の本や雑誌がずらりと並んでいる。
それにもともとやなせさんご自身が自伝のように書いたものや
読者に宛てたメッセージ本などかなりの数があるから、
ドラマとあわせて楽しむには十分過ぎるほどだ。
それに、やなせさんの代表作ともいえる『アンパンマン』関連を加えると、
朝ドラとともに毎日楽しめるかもしれない。
この『アンパンマン伝説』は1997年7月に刊行されたもので、
それに先立つ2年間雑誌に連載されていたものだ。
「あとがき」の中で、やなせさんは。
「子どもの読者のためではなく、大人の読者のための本」と書いている。
というのも、『アンパンマン』は子どもだけでなく、大人も楽しめる作品だという自負があったのだろう。
「アンパンマン」が誕生する頃の自身が置かれていた生活や、
どのような思いでアンパンマンが誕生し、
アンパンマンだけでなく人気のキャラクターがどのように生まれていったかを
大人の人たちにもわかるよう、思い出の写真やこの本のために書き下ろされたイラストをまじえ、
楽しい一冊に仕上げている。
朝ドラ「あんぱん」はまだまだ始まったばかり。
これからどんなキャラクターに似せた登場人物が現れるか、楽しみだ。