まさしくあなたのいうとおり! 人の話を最後まで、疑わなかった者の勝ち! ウソとホントの奇妙なゲームを制するのは……?
旅人にホラ話を披露しては、そのお礼にと食べ物をおごらせている、サル、ブタ、キツネ。なまけ者の3人が、今日も今日とてのんびりだらけていると、そこへ見るからに裕福なイヌがあらわれます。
イヌが着ている服の、なんてステキで、豪華なことでしょう! それを見た3人は、よからぬたくらみを思いつきます。
「やつをだまして、あのごうかな服を、うばいとってやろうじゃないか」
そうして3人は、イヌにゲームを持ちかけます。ルールは単純明快。信じられないような話をして、「そんなのうそだ」と言わせたら勝ち!
「負けたものは、勝ったもののけらいになって、なんでもいうことをきく、というのは、どうでしょう?」
ふだんからホラ話を披露している3人は、自信満々で思わずニヤリ。そうして、ホラが得意ななまけ者 VS 金持ちイヌの、おかしな知恵くらべがはじまります。
文字数が少なめで読みやすく、全ページイラスト付きなので、読み聞かせにはもちろん、絵本から読みものへの移行にもぴったりの一冊です。
にぎやかで表情豊かなキャラクターたちが、笑って、困って、おどろいて! 動きのあるコミカルなイラストに、ありもしないホラ話はさらにおおげさに盛りあがっていきます。
巨大なトラと戦う赤ちゃんの武勇伝から、『自分が生まれる前に起きた自分のトラブルを自分が助けてやる』という頭のこんがらがる物語まで、なんでもアリの、デタラメまみれ!
でも、ウソだと言わなきゃ勝てるなら、とにかくうのみ≠るのみだ! どんなデタラメにもトンデモにも、「そうだそうだ、あんたのいうとおり」で押し通せば、ぜったいに負けないぞ。……なーんて思った人から、負けていく。
だれも人の話を疑おうとしないときに、ぜったいウソだと言わせるためには? みんななっとく、思わずひざ打つトンチ技をお楽しみに!
(堀井拓馬 小説家)
続きを読む