色味を抑えた鉛筆画から、リアルさとファンタジー感がないまぜになった不思議な優しさが伝わってくる絵本です。
がまおじさんの山に登りたいけど、登れないたろう。 あの山にはなんだか、すごい秘密があるらしいのです。 友だちはどんどん登っていくけれど、たろうは、門番のように難しい顔をして座りこむ、がまおじさんになかなか話しかけられません。 そんなある日、いつも一緒にいる犬の「まる」がどこかへ行ってしまった……と思ったら、おじさんの家にいました!
こわごわ覗くたろうに、女の人が「ぼっちゃん、がまおじさんになにかごよう?」と話しかけて、家の中に招き入れてくれたのです。 さあ、たろうはがまおじさんに、山に登りたいと言えるのでしょうか……?
たろうが、まるを探して歩くときの商店街や工場、道ばたの風景が楽しい! 人間も動物もごちゃまぜで一緒にいる、不思議な心地よさ。 あちこちの光景が、きっと子どもの心に残るはずです。 もちろん、最後にたろうが目にした景色も!
(大和田佳世 絵本ナビライター)
あの山にはすごいひみつがあるらしい
がまおじさんの山にのぼりたいけど、がまおじさんが怖くて、言い出せないたろう。そんなある日、愛犬まるがおじさんの家に飛び込んでしまった!さあどうしよう。
【編集担当からのおすすめ情報】 森環さんの使用する色を抑えた鉛筆画は、独特な雰囲気を醸しだし、見ているものをワクワクさせます。山の道の両側に生える鬱蒼とした木々や、町やお店に登場するエキストラ(?)の風貌、お店などの建物のアイデアあふれる造形など、お話以外にも注目点がたくさんあるので、何度も読み返して欲しい絵本です。
スモークがかかったような風景の中で、不思議な物語が展開されます。
夢の世界のようです。
がまがえると美人の奥さんは、実在人間の化身のようです。
どこか懐かしい原風景のような世界で、様々な化身が見え隠れしています。
がまがえるの山から見下ろした景色も、何かを象徴しているようでした。
とりあえず、絵本の中にどっぷりと浸かってみることにしましょう。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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