ウルフ、9歳。友だちの姉さんにむりやりキスされたことはあったけど、自分からキスしたことはないし、興味もない。でも……。表題作ほか「宇宙人はいるのか」「青い雌牛」を収録。
「せっかくだから、キスしよう」
子どもだから言えるこのセリフとシチュエーションにしびれてしまいました。
女の子のビルギッタにバッティングのアドバイスをしたスタルク君。
みごとボールをかっ飛ばしたのは良かったけれど、振り回したバットがおでこを直撃。
ビルギッタの家で介抱されることになりました。
そして、冒頭のセリフと3回のキス。
一回分として5クローネを渡したら、「あたし、お金のためにキスしたんじゃないわ、バカね」、とビルギッタ。
何ともぞくぞくするようなセリフなのです。
キスに夢見る少年時代。
みごとなショートストーリーです。
他に2編の物語。
大人世界と子ども世界の常識や感覚の違いがみごとに表現されていて、スタルクならではの作品だと思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
|