暗い森でまたたく光。ケモノの目玉か、火の玉か。ところがきこえる祭ばやしに、よだれもあふれる甘〜い匂い!
そこにあるのは祭りの灯り、まっくら祭りのはじまりだ!
どうして森の奥でお祭りなんかやってるかって? それは、このお祭りが妖怪たちのお祭りだから……。
『ようかいのもり たぬきクリニック』の妖怪たちが帰ってきた! 主人公はやっぱり、妖怪のためのお医者さん「たぬき先生」。今日は白衣を浴衣に着替えて、まっくら祭りをたのしみます。
プロフェッショナルな味付け! カッパのきゅうり一本づけ。
ビリビリしびれるそのうまさ! カミナリさまの雨雲わたあめ。
キャッチコピーは「目が合うよ」!? 一つ目小僧のひとつめたこ焼き、などなど。
妖怪ならではのユニークな出店がずらりとならぶ、にぎやかな祭りの風景がみどころ!
そんな祭りをたのしむ妖怪たちのなかには、前作でたぬき先生に診察してもらった彼らの姿も! カッパの皿はひび割れも治り、ピッカピカ。大怪我を負ったいったんもめんも、キレイさっぱり傷跡もなし! ツノが生えないと悩んでいたかみなりの子には──どうやら、りっぱなツノが生えたみたい。
近年知名度急上昇、人気妖怪アマビエも、とびきりキュートな姿で描かれています。いったい、どこにいるでしょう?
さて、祭りの夜となれば、なかには羽目を外しすぎるものも……。たぬき先生、なんだかさわがしいと思って人だかりをのぞきこめば、そこではおおきな体のぬりかべが、すっかり道をふさいでいました。気持ちよさそうによだれをたらし、ぐっすり眠りこんでいます。
「まったく、こまったやつじゃ。どれ」
と、今回もたぬき先生がなにかに変身します!
怖さひかえめ、かわいさマシマシ! 妖怪たちと踊ってあそぶ、ほっこりワクワクの夏祭り! たぬき先生もアッと驚く変身にも乞うご期待!
(堀井拓馬 小説家)
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